2025年4月1日(火)
主張
新年度予算成立
石破政権“延命戦略”の破綻
衆院で与党過半数割れに追い込まれた石破茂政権は部分的修正と引き換えに一部野党を取り込んで辛うじて予算を成立させました。衆院での修正に続き、参院で再び高額療養費制度の負担増を先送りする修正がされました。参院で修正された予算が衆院に差し戻された上で成立するのは現憲法下で初めてです。
予算は成立させても、小手先の取り繕いで国民の反発をかわして自民党政治を続ける“延命戦略”では、多くの矛盾や軋轢(あつれき)が避けられません。石破政権の“延命戦略”は破綻しています。
■命をもないがしろ
新年度予算に求められることは、自民党政治の下での経済の停滞と衰退、物価高騰による暮らしの困難の打開です。しかし、社会保障関係費、文教費、中小企業対策費など、暮らしの予算はどれも物価上昇に追いつかない実質マイナスです。
一方、軍事費は前年度比9・4%増の8・7兆円と突出しています。さらに法人税率の引き下げや大企業への優遇税制による減税額は11・1兆円まで膨れ上がるなど大企業へは大盤振る舞いです。
暮らし優先の予算にするためには、「日米軍事同盟絶対」「財界・大企業中心」の二つのゆがみにメスを入れることが必要です。
ところが、石破政権は「103万円の壁」「高校授業料無償化」など、ごく一部の課題で国民民主党や日本維新の会と個別に密室協議を重ね、抱き込むことで予算の成立をはかろうとしてきました。
維新の賛成をとりつけ、予算を衆院通過させたものの、密室での修正では国民の支持はえられません。予算に盛り込まれていた高額療養費の負担上限の引き上げが国民の大きな怒りをよび、参院で負担増「凍結」という予算の再修正をせざるをえなくなりました。命にかかわる制度改悪で治療断念を迫られるという患者の悲痛な声と改悪中止を求める運動が政治を動かしました。
国民生活をないがしろにする自民党政治への怒りは、石破首相の商品券配布問題でさらに広がっています。
石破首相は予算の衆院通過後、首相公邸に自民党の1期生議員を集めて会食を行い、“お土産”として1人10万円の商品券を配っていました。商品券配布は自民党政権の慣例で、原資は官房機密費だった疑いが濃厚です。物価高に苦しむ国民生活とかけ離れた自民党の金権体質に強い批判があがっています。
■政治前に進める力
石破内閣の支持率は急落しています。石破首相はあわてて、予算成立後に「強力な物価高対策」を打ち出す考えを示しました。
しかし、国会で審議中の予算にまともな対策がないと自ら告白したとの批判をあびるなど迷走を重ねています。大軍拡と大企業へのばらまきを見直さなければ、暮らし優先の政治は実現できません。
政治を前に進める力は、密室協議ではなく、国民の要求と運動にこそあります。国民の声を突きつけ、議論を起こすことこそが、石破政権を追い詰め、政策を変えさせる“真の力”となります。