2025年4月2日(水)
きょうの潮流
古くは女衒(ぜげん)のような所業か。女性を遊郭などに売り渡す仲介で生計をたてていた人買いです。顔立ちから爪の先、歩き方まで細かく調べ、格付けまでしていたといいます▼「社員やアナウンサーが性別・年齢・容姿などに着目して呼ばれる会合が開かれていた」。フジテレビの第三者委員会が報告していました。男性優位の構造のなかで女性が接待要員としてモノ扱いされる。そうした企業体質があるとして▼業務の延長線上の性暴力だった―。元タレントの中居正広氏による女性への性加害問題をめぐり、第三者委はそう認定しました。女性はフジのアナウンサーで圧倒的な権力格差があり、中居氏からの誘いに応じざるをえなかったと▼しかも社員が性被害にあいながら、対応したフジの幹部が加害者側にたち、番組も継続。幹部社員が中居氏の代わりに見舞金を届けたことや弁護士を紹介していたことも。こうした二次加害ともいえる行為が被害女性の絶望感につながりました▼類似の事案は他にも。人を人とは思わぬ人権感覚の欠如。報告書はフジだけの問題ではなく業界全体が直面する問題であると指摘します▼被害は一生消えることはなく失ったものが戻ってくることはない―。女性はコメントをこう結んでいます。「このようなことがメディア・エンターテインメント業界だけでなく、社会全体から無くなることを心から望みます」。それは人権侵害に苦しみながら泣き寝入りを余儀なくされている、多くの女性たちの声でもあります。