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2025年4月19日(土)

維新が学術会議攻撃

反共・軍拡の突撃隊の恥ずべき本性、自ら明らかに

衆院本会議 解体法案質疑で

抗議・撤回を

 維新の会の三木圭恵議員が18日の衆院本会議での日本学術会議解体法案についての質疑で、「日本学術会議が設立された当時、日本共産党が社会主義に同調的な科学者を組織し、学術会議の中心メンバーとして送り込んでいた。『日本共産党の70年』の本には同党が『日本学術会議の設立に一定の役割をはたした』と書かれている」「日本共産党が会員選挙に介入し大勢の党員学者を立候補させた。混乱が生じたことから選挙をやめ、現行の推薦方式に変わった」などとのべました。

 その直後に質疑に立った日本共産党の塩川鉄也議員は、三木氏の発言について、「日本学術会議への事実無根の誹謗(ひぼう)中傷のなかで、(三木議員は)日本共産党に言及したが、わが党が学術会議に不当に介入、干渉したという事実は全くない。わが党の党史には指摘のような記述はない。強く抗議し、撤回を求める」と厳しく批判しました。全く当然です。維新の会の質疑は、この党が反共・軍拡の突撃隊であることを自ら明らかにするものとなりました。

悪質な歪曲

 塩川議員が批判したように、『日本共産党の70年』は、「民科(民主主義科学者協会)は…学術会議の設立に一定の役割をはたした」との記述がありますが、三木氏の発言は、この部分の「民科」を「日本共産党」と読み替えた、悪質な歪曲(わいきょく)です。

 設立当時の学術会議は会員公選制をとり、科学者による直接選挙で会員を選んでいました。それぞれの候補者の思想・信条も公表したうえで、有権者である科学者の投票に委ねられていました。立候補した学者が社会主義にどういう態度をとるかは、その学者の学識に関わるものです。日本共産党が学術会議に不当に介入、干渉していたかのように描くことは、まったく事実の歪曲です。

 会員の公選制から推薦にもとづく首相の任命制に変更した1983年の法改正も、「学術研究の細分化・専門化などの進歩発展に対応し、日本学術会議の目的をはたすため」(法案の趣旨説明)に行われたのです。共産党員学者が立候補していたことで混乱が起きたという事実はどこにもなく、それが法改正の理由でもありません。

ネタ元は統一協会

 こうした学術会議攻撃は、もともと国際勝共連合=統一協会の常とう句です。「世界日報」の2022年7月29日付「社説」でも「日本学術会議 共産党の影響力を排除せよ」とし、「日本学術会議には当初から日本共産党が浸透していた」「現在も210人の会員のうち党員や支持者が7割を占める」などと中傷しています。三木氏の攻撃は、いわば勝共連合の主張をおうむ返しに唱えているだけです。

 こうした反共デマ攻撃の一方で三木氏は、日本学術会議は1950年に戦争を目的とする科学の研究には絶対に従わない決意の表明を、67年に軍事目的の科学研究を行わない声明を、そして2017年には軍事的安全保障に関する声明を発表したとして、「わが国の防衛に関する研究を拒否し続けている」と非難。「戦争を防止し、平和を維持するためにも、他国からの侵略を抑止するための防衛技術の研究開発を進めていく必要がある」として「かたくなな軍学共同反対のスローガンを改め、科学者がわが国の防衛や平和の維持に寄与できるようにしていただきたい」と述べました。

 反共を声高に、学問の軍事利用のために学術会議を解体する狙いをあけすけに語るもので、「戦争する国」づくりの突撃隊の恥ずべき本性を示すものとなりました。

 (改正充・学術文化委員会副責任者)


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