2004年8月3日(火)「しんぶん赤旗」
日本共産党の志位和夫委員長は二日、参院選後初めての論戦となった衆院本会議で質問に立ち、改悪年金法や消費税増税、イラク派兵・憲法改定問題などで小泉純一郎首相の姿勢をただしました。
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志位氏は、改悪年金法にたいして選挙後も八割の国民が「白紙に戻してやりなおせ」と求める世論調査を示し、「どんな制度であっても国民の信頼がなければ制度は長続きしない」と指摘。民意を厳粛に受けとめ、改悪年金法を白紙に戻すよう強く迫りました。
さらに、立場の弱い人たちに重くつらくのしかかる消費税を「福祉のため」といって引き上げる議論について「本末転倒もはなはだしい」と批判、その基本認識をただしましたが、小泉首相は「消費税の議論はおおいに結構」と従来の答弁を繰り返すだけで、まともに答えられませんでした。
志位氏は、「日米同盟」――日米安保条約を国の最高の基準においてイラク戦争への態度でも自衛隊派兵でも異常なアメリカいいなりの道を突き進む小泉首相の姿勢を批判。選挙戦で小泉首相が「集団的自衛権の行使のために改憲が必要だ」と発言をエスカレートさせたことについて、(1)日本が攻撃されていなくても、「米国とともに戦争をする国」となることを意味する(2)米国の戦争はイラク戦争のような無法な先制攻撃だと指摘。「日本を『米国とともに戦争をする国』につくりかえることは、日本を国連憲章を破壊する無法国家に転落させることを意味する」と迫り、変えるべきは九条ではなく、アメリカいいなり政治の根源にある日米安保条約こそなくすべきだと強調しました。
小泉首相は集団的自衛権の問題について「さまざまな議論があるが、私は解釈の変更でなく、正面から憲法改正を議論することで解決をはかるのが筋だ」と述べ、選挙戦での自身の発言が憲法九条改定で日本が海外で武力行使できることを可能にするものであることを認める重大な答弁をおこないました。
小泉首相は二日の衆院本会議で、日本共産党の志位和夫委員長の質問に答え、相次ぐ豪雨災害で問題となっている個人の住宅本体にたいする公的支援について「さまざまな議論があるが、今後さらに議論を深めていく必要がある」とのべました。個人財産の被害補償を検討課題にするとしたことは、これを否定してきた従来の答弁から一歩ふみこんだものです。
志位氏は、新潟・福島・福井の豪雨災害と台風10号による被害をとりあげ、住宅から地場産業の工場、水田まで大被害を受け、ニット関係業者が自殺する痛ましい事態までおこっていると指摘。「自然災害のすべてをなくすことはできないが、災害から国民の命を守ること、被災者の生活と営業を復興すること――これは政治の力でできることであり、国の重大な責任だ」として政府がそのために全力を尽くすよう求めました。
そのうえで志位氏は、被災者の切実な願いにこたえて、現行の被災者生活再建支援法を最大限に活用することはもちろんだが、「個人財産を補償しない」としてきた姿勢を転換し、住宅や町工場の修繕・建て替えへの直接の公的支援にふみだすよう求めました。
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