2004年12月10日(金)「しんぶん赤旗」
自衛隊のイラク派兵延長問題で小泉純一郎首相と日本共産党、民主党、社民党の野党三党党首との会談が九日午後、首相官邸で開かれました。日本共産党から志位和夫委員長が出席、市田忠義書記局長が同席しました。会談の冒頭、北朝鮮の拉致問題が議題となり、志位氏は申し入れ書を手渡し、北朝鮮の無責任で不誠実な態度に厳しい抗議の意思を表明。北朝鮮側から提供された「資料」に多くの虚偽があいついだ事実を示し、「北朝鮮側の交渉担当者に当事者能力があるのか、きわめて疑わしい」として、日本政府として北朝鮮側に、「拉致問題に十分な責任を負える人物が交渉の場につく」ことなどを要求するよう、提起しました。
|
小泉首相は、「横田めぐみさんの遺骨が虚偽だったことは極めて遺憾だ。提案については十分に斟酌(しんしゃく)して対応したい。北朝鮮側に抗議し、誠意ある対応を求めていきたい。『制裁』という意見もあるが、対話と圧力の両面が重要だ。相手を追い込んでよいものか。交渉を打ち切ることはよくない。対話を強めることが必要だ。食糧支援についてはいま実施する考えはないが、状況をみて判断していきたい」と答えました。
志位氏は、会談後の記者会見で、「日本共産党の提起に対し、首相が『対話を強めることが必要だ』と答えたことを重視して聞いた」とのべました。