2005年3月29日(火)「しんぶん赤旗」

福崎町に最新式下水道

初の膜処理方式 大腸菌も通さない

兵 庫


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完成した福崎浄化センター(膜分離装置は床下)を見る 嶋田正義町長(左から3人目)ら=28日、兵庫県福崎町

 日本共産党員の嶋田正義氏(69)が町長をつとめる兵庫県福崎町で二十八日、公共下水道の処理場・福崎浄化センター(四月一日操業開始)の通水式がおこなわれました。公共下水道としては日本で初めて「膜分離活性汚泥法」(膜処理法)を採用し、各方面の大きな注目を集めています。

 同浄化センターは当初の計画では従来の処理方式でしたが、二〇〇一年に国土交通省が膜処理法を許可したのを受け、嶋田町長が膜処理法への変更を提案。議会や関係者の了承をえ、〇三年に着工したものです。

 国交省の担当官は「膜処理はいい方式なので、今後広がるでしょう。福崎町は先見の明があります。最初にやるというのは、地方公共団体としてはやっぱり勇気がいるでしょう。それでも選択されたのは、お目が高い」と話しています。

各地から視察専門紙も紹介

 すでに他の自治体から視察が相次いでいます。専門紙「水道産業新聞」と「日本下水道新聞」はそれぞれ最新号で、丸まる一ページとって、嶋田町長インタビューと同浄化センターの意義や解説の記事を掲載しています。

 通水式で嶋田町長は「土地をお分けいただいた地権者の方がた、建設にご同意いただいた地元の方がた、議会、県、国、下水道事業団の方がたに、ただただ感謝の気持ちです。環境と町民にとって大切な施設を、しっかり守り運営したい」とあいさつしました。


 膜分離活性汚泥法 現在の下水処理は、微生物のかたまり(活性汚泥)の働きで下水の汚濁物を分解浄化し、最終沈殿池で活性汚泥を沈殿分解させて上澄み水を処理水として放流する方式が主流。「膜分離活性汚泥法」は、分解浄化後の下水を沈殿分離ではなく、微細な穴がある膜で濾過(ろか)する方式。浮遊物質、窒素などを除去できるとともに、大腸菌を通さず、食中毒を招くノロウイルスなども除去できるなど高度に浄化された処理水をつくれます。さらに、従来の方式よりも大幅な省スペース、維持管理が容易などのメリットがあります。


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