日本共産党


兵庫・福崎町長選 嶋田正義さん3選

「清潔・公正」 党派超え期待

“福崎町民は賢かった”





当選が決まり選挙事務所に集まった人たちから祝福を受ける嶋田町長=11月30日、兵庫県福崎町
 十一月三十日投票の兵庫県福崎町長選で、現職で日本共産党員の嶋田正義氏(68)=「明るい福崎町をつくる会」推薦=が、前助役の新人、白井為次氏(60)=自民、公明、民主推薦=に五百九十七票差でせり勝ち、三期目の当選を果たしました。福崎町では通算で三期つとめた町長は過去にいますが、連続三期つとめる町長は初めてという快挙です。相手陣営の大規模な反共宣伝やしめつけを打ち破った、「福崎町民の良識の勝利」(「明るい福崎町をつくる会」の声明)です。(兵庫県・喜田光洋記者)

 「いやあよかった。なんといっても、『もちむぎ』などの不正を解決し、いろんな事業をすすめた二期八年の実績が勝因や。誠実で裏表のない人柄もすばらしい」

 同町の青田美好さん(80)は顔をほころばせます。

住民本位の実績

 同町長選は、嶋田町長の二期八年で清潔・公正、住民本位に大きく変わった町政をさらに前進させるのか、それとも利権や圧力で動く町に戻すのか−が問われました。

 嶋田町長は、疑惑を指摘されながら前町政が手をつけられなかった「もちむぎ食品センター」(第三セクター)の不正・腐敗にメスを入れ、役場に情報公開コーナーを設けるなどガラス張り町政に努力してきました。町内二つ目のデイサービスセンターが二〇〇一年に開設し、無料の町内巡回バスは、年々利用者が広がっています。長年の課題だった公共下水道事業が本格着工し、歴代町長が解決できなかったJR福崎駅周辺整備も、大型バスの進入路とロータリー建設の見通しがつきました。

 広範な町民でつくる「明るい福崎町をつくる会」は、こうした豊かな実績と、二十一世紀の町づくり政策「福崎町・新いきいきプラン21」をしめし、公共下水道や駅前整備など大きな事業が動き出したいまこそ、清潔・公正な嶋田町長の三選が必要であり、利権や圧力で動く町に戻してはならないと訴えました。

 町民からは、「相手側には利権がらみの人が多くみうけられる。向こうが勝ったら昔みたいな町になるのではと心配。どうしても嶋田さんに勝ってほしい」(五十七歳の女性)など、期待の声が数多く寄せられました。

転覆狙い大布陣

 前助役の陣営は、民主町政転覆のために早くから本腰を入れてとりくんできました。自民党県議が「今回のたたかいは、共産党を除く各政党、団体、連合兵庫が並んでいる。前回はこういう布陣ではなかった」(十一月二十八日の決起集会)とのべるなど、大がかりな体制でした。

 五月ごろから運動を始め、地域の幹部や企業、団体を激しくしめつけて町民を動員し、血縁などあらゆるつながりを利用した支持拡大、全戸訪問、町外からの働きかけなど、徹底した組織戦をくりひろげました。町内に「流れを変えよう」と書いたのぼりを林立させ、使い古された「共産党だから国・県から補助金がこない」などのデマ宣伝をくりかえしました。

 終盤には、自民党、公明党、民主党の国会議員、県議が次つぎと応援に入ってこぞって反共演説。「対立軸は保守と共産党」などといい、ビラでも「共産党町長はもうゴメン」と反共攻撃をエスカレートさせました。

 「明るい会」は、補助金については、国・県からの支出金が、法律や制度にもとづいて決まるものであると同時に、前町政の最後の四年間で六十七億円、嶋田町政一期目で七十億円、二期目で九十三億円と増えていることをしめして反論したのをはじめ、デマ攻撃に事実で反撃。また「町長選挙は、政党を選ぶのではなく、町民全体の利益を代表する人を選ぶもの。だからこそ、実績と政策、人柄で選ぶことが大切です。嶋田さんは二期八年も町民全体の利益のために働いてきた町長です。いまどき嶋田さんが『共産党員だからダメ』というのは現実を見ない時代遅れの考え方です」と訴えました。

町民惑わされず

 同町の城谷昭子さん(60)は、「共産党町政はあかんとさんざんいって、こんな汚い選挙は初めてでした。向こうが嶋田さんを落としたいがためにいってきたことです。でも、福崎町民は賢かったということです」と語ります。また、同町のある有力者は選挙後、「共産党と嶋田町長を結びつけた攻撃はひどすぎる。逆効果だ」と語っています。

 「明るい会」の岡本正信事務局長は、「町民は向こうのビラには惑わされなかった。そして、みんなで嶋田さんを押し上げた。私は、民主党推薦の前衆院議員(無所属)の後援会員で、『明るい会』には自民党の人も多くいる。党派を超えたこの力が大きかった」と語ります。

(2004年12月2日「しんぶん赤旗」より)


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