被爆国日本の国民の切実な願いであり、人類的課題である「核兵器のない世界」――核兵器廃絶に向けて、歴史的な変化がおこりつつあります。オバマ大統領が4月にプラハでおこなった演説は世界に大きな問題を提起しています。これは、(1)米国大統領として初めて「核兵器のない世界」を追求することを国家目標とすると宣言しています。(2)広島・長崎への核兵器使用が人類的道義にかかわる問題であることを初めて表明するとともに、その立場から核兵器廃絶にむけた責任を語っています。(3)そして、核兵器廃絶にむけて世界の諸国民に協力をよびかけています。
日本共産党の志位和夫委員長は、この演説を歴史的意義をもつものとして重視し、(1)核兵器廃絶のための国際条約の締結をめざして、核兵器保有国による国際交渉を開始するイニシアチブを発揮すること、(2)2010年のNPT(核不拡散条約)再検討会議において、核保有国によって、核兵器廃絶への「明確な約束」が再確認されることをもとめる書簡をオバマ大統領に送りました。それにたいして、米政府から書簡にたいする返書(オバマ大統領の指示で、国務次官補代理が大統領に代わって書いたもの)が届けられました。書簡への感謝が表明され、「この問題(核兵器のない世界)にたいするあなたの情熱をうれしく思う」という返書は、核兵器廃絶にたいするオバマ大統領の真剣さと熱意を示すものです。
米国大統領への書簡と、米政府からの返書は、内外に積極的な反響をよびおこしています。志位委員長は衆参両院議長と会談し、被爆国・日本で核兵器廃絶の国民世論を喚起していくことで一致しました。多くの国々の在京大使や外交官からも歓迎の声が届けられています。全国各地で、自治体の首長、平和・市民団体、宗教者などとの懇談がおこなわれ、政治的立場の違いをこえて、多くの人々から歓迎の声が寄せられています。この反響の広がりは、核兵器廃絶という人類的課題が空想的なものではけっしてなく、現実のものとなる可能性を多くの人々が感じだしていることを示しています。
アメリカに前向きの変化を促した根本の力は、平和を願う世界諸国民のたたかいです。
日本共産党は、戦後一貫して核兵器廃絶のためにたたかい続け、綱領にもその課題を明記した党として、この歴史的なたたかいの一翼をにない、広範な人々と共同して地球上から核兵器をなくすために積極的な役割を果たします。
日本は、人類史上唯一、核戦争の惨禍を体験した国でありながら、自公政権のもとで、アメリカの「核の傘」依存を正当化して、「核兵器をつくらず、持たず、持ち込ませず」の「非核3原則」をないがしろにする動きや核武装論がくりかえされてきました。
元外務次官4人が核密約の存在をマスコミに証言し、衆院外務委員長も関係者と面談したうえで、「核密約はあった」と確認するなか、日本への核持ち込みの黙認を取り決めた日米間の密約があらためて国民の批判を浴びています。
この密約は、1960年に日米間で結ばれ、63年の大平外相とライシャワー駐日大使の会談で再確認された、核兵器を積んだ軍艦や航空機の寄港、通過、乗り入れにかんするものです。この核密約の存在は、日本共産党の不破哲三委員長(当時)が2000年4月に初めて国会で明らかにした米政府解禁文書でも証明されていますが、今回、日本の元外務次官ら直接、厳重秘匿管理してきた関係者の証言によっていよいよ否定しがたいものになっています。日米間で核密約を結んでいながら、国会と国民の前では「非核3原則」を強調し、核兵器を積んだ軍艦や飛行機は、一時的な寄港、通過、乗り入れもありえないと言いはってきた歴代日本政府の欺瞞(ぎまん)性、反国民的な犯罪行為があらためて浮き彫りになっています。
麻生内閣はいまも「密約は存在しない」と否定し続けていますが、日本政府が約50年にわたって、国民をだまして、核兵器持ち込みの仕組みを維持してきたことは絶対に許せません。
この核密約以外に、「有事」、つまり「将来の緊急事態」のさいに核兵器を配備する密約が日米間で結ばれていることも米政府解禁文書で明らかになっています。政府は、国民と国会にたいして、核密約に関わるあらゆる記録を公開し、核の闇の真相を全面的に明らかにすべきです。
これは、けっして過去の歴史問題ではありません。アメリカは、水上艦艇から核兵器を撤去しましたが、攻撃型原潜に必要があれば随時、核巡航ミサイル「トマホーク」を積載する態勢を継続しています。さらに、「有事」には、核兵器の再配備をすることを宣言して
おり、「有事」にそなえるために、特定の地点での核兵器の存在を「否定も肯定もしない」という政策を堅持しています。「有事」における核配備の密約の下で、国民も日本政府も知らないうちに核兵器が持ち込まれ、配備されるという仕組みと体制は引き続き日本列島をおおっているのです。
核密約をめぐる政府のウソが否定しがたいものになるなか、これを改めるのではなく、逆に、「非核3原則」を見直し、核持ち込みを公然と認めよという動きが強まっているのは重大です。民主党の鳩山代表なども、「持ち込ませず」の原則をはずして、核持ち込みを容認する考えを明らかにしています。
日本共産党は、広範な人びとと共同して、政府に核密約を公開、廃棄させて、核持ち込み体制を一掃するたたかいを強めるとともに、「非核3原則」を骨抜きにする策動を許さず、名実ともに「非核の日本」を実現するために全力をあげます。
あらゆる密約を公開し、廃棄する……日米間の密約は、核密約だけではありません。沖縄返還をめぐる日本側負担や米軍の軍事作戦、米兵犯罪をめぐる日本の裁判権放棄などにかんしても、日米間に密約や秘密合意が存在することが米政府解禁文書で明らかになっています。密約は国民を欺く「国家犯罪」ともいうべきものであり、密約が存在したままでは、ほんとうに「対等な日米関係」を実現することもできません。
日本共産党は、政府にあらゆる密約、秘密合意を公開、廃棄することを要求します。
北朝鮮が5月におこなった2回目の核実験は、北朝鮮に「核実験を実施しないこと」を求めた国連安保理決議、自らも合意した6カ国協議の共同声明に明白に違反する暴挙です。また、世界のなかで起こりつつある核兵器廃絶への新たな機運への乱暴な挑戦です。日本共産党は北朝鮮の行動に対し厳しく抗議しました。
北朝鮮はその後も、国際世論に挑戦するような言動を続けていますが、この問題の解決のために、北朝鮮に核兵器および核兵器開発計画を放棄すること、6カ国協議に無条件に復帰することを求めて、国際社会が一致結束した行動をとることが大切です。
6カ国協議の無用論、無力論が出ていますが、この協議は、北東アジアの平和と安定に直接かかわる関係者が一堂に会する場として、引き続き最も効果的な交渉の枠組みです。この枠組みの当面の目標は、「朝鮮半島の非核化」ですが、この目標が達成されるならば北東アジア地域の平和の共同体として発展しうる可能性をもったものです。日本共産党は、困難はあっても、国際社会が6カ国協議の枠組みに北朝鮮を引き戻し、協議を再開させるために力をつくします。
北朝鮮の核実験などにたいして、「敵基地攻撃」論などの無法な先制攻撃論、さらには日本の核武装論など、軍事対応論が自民党や民主党の一部にうまれています。しかし、これらは、軍事対軍事の危険きわまりない悪循環を引き起こすものであるとともに、北朝鮮に「核兵器を棄てよ」と要求する立場を失わせるものでもあります。名実ともに「非核の日本」をつくりあげてこそ、北朝鮮にきっぱりとした強い立場にたって、核開発を放棄させることができます。
日本共産党はこうした軍事対応論を厳しく退け、「非核の日本」を実現するために全力をあげます。
「日朝平壌宣言」にもとづき、朝鮮半島の核問題の解決とともに、拉致問題、ミサイル問題、過去の歴史の清算の問題など、日朝間の諸問題の包括的解決に努力をつくし、日本と北朝鮮の国交正常化への道筋をひらくことが大切です。こうした道をつうじて、北朝鮮問題が道理ある解決をみれば、東アジアの平和・繁栄・友好に大きな展望が開けます。日本国民にとっても、平和と安心が確保されます。
日本共産党は、国の内外で、日朝間の諸問題の理性的解決のために全力をあげます。
アメリカの一国覇権主義が、軍事でも経済でも大きな破たんに直面するとともに、それに代わる新しい世界秩序への流れが大きく広がりつつあります。
アジアでは、ASEAN(東南アジア諸国連合)が5月、EU(欧州連合)の東南アジア友好協力条約(TAC)への加入を正式に承認し、ブッシュ前政権が拒否していた米国も条約に署名しました。EUと米国の加入によって、TAC加入国は52カ国に、人口の合計は世界人口の7割近くに増えて、ユーラシア大陸の多くの国々、オセアニア諸国、米国を含め、世界を覆う一大潮流となります。南北アメリカ大陸でも、長らく「米国の裏庭」といわれてきた中南米の従属の歴史に幕が下り、対等・平等の新たな友好関係が日程にのぼりつつあるなど、国連憲章にもとづく平和秩序をめざす流れが世界の広大な地域に広がっています。
こういう世界にあって、日本は、恒久平和主義という理想を先駆的に体現した「世界の宝」ともいうべき憲法9条をもっているにもかかわらず、自公政権が、軍事偏重でやみくもに海外派兵をおしすすめ、憲法を改悪して、「海外で戦争をする国」にしようとする動きをすすめています。「戦争をしない」という憲法9条の理想が世界政治の現実の流れとなりつつあるなか、アメリカの世界戦略を補完するかたちでの海外派兵など、軍事偏重の政治をいつまでつづけていいのか。このことが正面から問われています。
新テロ特措法の延長を許さず、インド洋から自衛隊をただちに撤退させる……アフガニスタンでは、海上自衛隊によるインド洋・アラビア海での米艦船などへの給油という形で米国の「対テロ戦争」に加担し、罪のない民間人の殺りくに手を貸してきました。アフガニスタンでは、米軍などによる無差別の武力掃討作戦によって多くの民間人が殺害され、それが、外国軍の駐留への怒りを強め、自爆テロや武力衝突を急増させるという情勢悪化の悪循環がおこっています。「最悪の治安状況」といわれるなかで、日本人の人道支援活動家が犠牲となる事態もうまれました。戦争でテロはなくせない。このことが明らかになったのが、この8年間の重大な教訓です。戦闘を一刻も早くやめさせ、和平の努力を尽くすことが求められています。
日本共産党は、アメリカの報復戦争に加担する新テロ特措法の延長を許さず、インド洋・アラビア海から自衛隊をただちに撤退させるために全力をあげます。
「海賊対処」派兵新法をなくし、あらゆる海外派兵のくわだてに反対する……自公政権は、「海賊対策」を名目にアフリカ東部のソマリア沖・アデン湾へのなし崩し的な自衛隊派兵の既成事実を先行させつつ、新たに「海賊対処」派兵新法を強行しました。これは、海賊対処の名で世界のどこにでも自衛隊を派遣できる恒久法であり、海賊対処のための船体射撃や危害射撃を可能とするなど武器使用を「任務遂行」のためにも拡大しました。海賊問題を解決する道は軍隊を派遣することではありません。ソマリア周辺国の警察活動に対する財政的・技術的支援を強化するとともに、ソマリアの政府崩壊をたてなおし、人々が生活できる環境をつくるための民生支援こそ必要です。憲法9条をもつ日本は、そのような外交努力、民生支援にこそ力をつくすべきです。
日本共産党は、「海賊対処」派兵新法をなくし、自衛隊をソマリア沖・アデン湾、ジブチからすみやかに撤兵させるために力をつくします。また、アメリカの要求にこたえた、自民、公明、さらに民主党も加わった自衛隊の海外派兵恒久法策定の動きなど、憲法を踏みにじる海外派兵のあらゆる企てに反対して、広範な国民とともにたたかいます。
日米両政府は、日米安保条約を従来の枠組みさえこえた「地球規模の日米同盟」へと侵略的に大変質させ、「米軍再編」の名で米軍基地の強化、米軍と自衛隊の一体化を推進しようとしています。「米軍再編」のねらいは、アメリカの地球規模の戦略に日本を組み込むところにあります。
「日本防衛」とは無縁の海外遠征――“殴り込み”部隊の司令部機能や機動性が、陸・海・空・海兵隊の4軍そろって強化され、出撃・補給拠点として恒久化されようとしています。沖縄・名護市への新基地建設、横須賀基地への原子力空母の配備、山口・岩国基地への空母艦載機の移駐、神奈川・座間基地への米陸軍第1軍団司令部機能の移転などです。
日米両政府が2月、グアムの米軍基地強化に日本国民の税金を投入する義務を負わせた米海兵隊「グアム移転」協定に調印したように、オバマ政権になっても「米軍再編」による米軍基地強化路線には変化がみられません。「グアム」協定は、海兵隊「移転」が、沖縄への新基地建設と日本の財政的貢献にかかっているとしています。アメリカの領土内の米軍基地建設費を日本国民が負担するのは、国際的にも歴史的にも例がなく、まったく道理がありません。しかも、自公政権は、ウソで固めた「環境アセス」にみられるように、沖縄県民をはじめ日本国民を欺いて、新基地建設を強行しようとしています。絶対に許しがたいことです。
自公政権は、「再編交付金」という「札束の力」で、基地をかかえる自治体と住民を分断、懐柔、屈服させて、基地強化を押し付けようとしています。しかし、曲折はあっても、こうした圧力に屈せず、全国各地で、基地強化反対の粘り強いたたかいがすすんでいます。
日本共産党は、「米軍再編」の名による基地強化・永久化に反対し、基地のない平和な日本をめざして国民とともにたたかいます。
日米地位協定を抜本改定し、米軍優遇の特権をなくすために力をつくす……多発する米軍犯罪、事件・事故のたびに、米軍に治外法権的な特権を与えている日米地位協定が問題になります。米軍による主権侵害と横暴をおさえ、犯罪をくりかえさせないために、地位協定の抜本改定は、まったなしの課題です。にもかかわらず、自公政権は、国民の強い改定要求に背を向けて、「運用改善」にとどめています。
日本共産党は、日米地位協定を抜本改定し、主権国にあるまじき米軍優遇の特権をなくすために力をつくします。
2010年5月には、自公両党によって強行(07年)された「改憲手続き法」=国民投票法が施行を迎えます。この間、国会には憲法審査会が設置されることになりましたが、国民世論の批判の前に、審査会の規程は衆参両院ともに決められず、審査会は始動できませんでした。このことは、憲法改定はもちろん、そのための手続き自体も、国民の要求や願望から出発したものではないことを浮き彫りにしました。
ところが、6月11日には衆院で憲法審査会規程が強行されるなど、見過ごすことのできない変化が生まれています。自民党の憲法審議会長を務める中山太郎・元外相は、「国民投票法が施行されると、衆参両院の3分の2の賛成があればいつでも憲法改正手続きができるようになる」(「読売」5月3日付)と指摘しています。国民の意思がどうあれ、憲法審査会が現実に動き出すことになれば、国会として改憲のための具体的な第一歩が踏み出される危険性があります。
この点で注意を要するのは、民主党の新代表に就任した鳩山由紀夫氏が年来の改憲論者だということです。鳩山代表は、みずからの著書『新憲法試案』のなかで「野党第一党が『憲法改正』に前向きな主張をしていることが引き金となって、衆参両院に憲法調査会が設置されることとなった」と自賛しています。憲法審査会の規程を決めることについても、民主党は採決では反対しましたが、「規定は必要」という立場でした。
しかし、自民、民主両党などの改憲への執念がどんなに強く深くても、憲法改定が国民から出発した要求ではない以上、そうした改憲路線はかならずゆきづまりに直面せざるをえません。現に、「首相在任中の改憲」をかかげた安倍政権は、さまざまな反国民的な施策とあいまって、「一路改憲」という路線そのものへの国民の批判にあって退陣に追い込まれ、以後の政権は、改憲を前面に出せないできました。
こうした状況をつくりだすうえで、大きな力になってきたのが、各地の「九条の会」や憲法改悪反対共同センターのとりくみです。とくに、結成5周年を迎えた「九条の会」は、いまや全国津々浦々に7500に近づく勢いで会が誕生しています。
日本共産党は、憲法の前文をふくむすべての条項をまもり、とりわけ、平和・人権・民主主義を豊かに保障した条項を完全に実施することをめざします。その立場から、憲法改定に強く反対し、改憲につながる一切の策動を許さず、思想信条、党派の違いを超えた共同をさらに発展させるために全力をあげます。
アメリカのブッシュ前政権の一国覇権主義が無残な破たんをとげているもとで、国際社会は、国連憲章にもとづいて、国際紛争の平和的・外交的解決を求めるという方向に動いています。21世紀は、軍事ではなく外交こそが重要な意味をもつ時代となっています。
世界が大きく変化しつつあるもとで、日本外交のあり方が問われています。世界の前向きの変化に積極的に働きかけて促進する外交か、前向きの変化が目に入らず、変化しないことを求める外交かが鋭く問われています。
麻生・自公政権には、世界の前向きの変化は目に入りません。オバマ政権のプラハでの演説を受けて、この政権がおこなっているのは、オバマ大統領がのべた「核兵器のない世界」への動きを後押しすることではありません。執拗(しつよう)に求めているのは、「日米安全保障体制の下における核抑止力を含む拡大抑止」の確認です。唯一の被爆国の政府が、核兵器廃絶への歴史的チャンスが目の前に生まれているときに、そのための行動は何もせず、米国の核戦力に依存することを繰り返し求めていることは、許されません。
一方、自公政権は、アメリカが変化していない部分では、変化を求めず、自らすすんで従属政治を続けています。日米軍事同盟を絶対不可侵のものと仰ぎ、米軍基地を強化し、自衛隊の海外派兵をおしすすめ、グアムに建設する米軍基地にまで日本国民の血税を注ぎ込み、さらに憲法を改定して海外での武力行使に公然と道をひらく路線にしがみついています。こうした政治に未来がないことは明らかです。
日本共産党は、核兵器廃絶問題での行動が示すように、世界の前向きの変化に働きかけ、それを促進する、憲法9条にもとづく「自主・自立の平和外交」をすすめます。
――日本が過去におこなった侵略戦争と植民地支配の反省を踏まえ、アジア諸国との友好・協力をすすめます。
――国連憲章に規定された平和の国際秩序を擁護し、この秩序を侵犯・破壊するいかなる覇権主義にも反対をつらぬきます。
――一般市民を犠牲にする無差別テロにも報復戦争にも反対し、テロ根絶のための国際的な世論と共同行動を発展させます。
――日本の歴史的領土である千島列島と歯舞・色丹島の返還をめざします。
――多国籍企業の無責任な活動を規制し、地球環境を保護するとともに、一部の大国の経済覇権主義をおさえ、すべての国の経済主権の尊重と、平等・公平・互恵を基礎とする民主的な国際経済秩序の確立をめざします。
――紛争の平和的解決、災害、難民、飢餓などの人道問題にたいして、非軍事的な手段による国際的な支援活動を積極的におこないます。
――社会制度の異なる諸国の平和共存、異なる価値観をもった文明間の対話と共存の関係の確立のために力をつくします。
――経済面でも、アメリカによる不当な対日要求に屈せず、金融・為替・貿易を含むあらゆる面で自主性を貫いた対等・平等の日米関係を確立します。
自公政権が、憲法9条も平和を願う国民世論も踏みにじって、従属政治を続けてきた大もとに、日米安保条約=日米軍事同盟があります。日米安保条約は、いま、世界とアジアの軍事緊張を高める危険な震源地の一つになり、沖縄をはじめ日本中で、「基地あるがゆえ」の苦しみを国民に押しつけています。アメリカが繰り返し日本に軍拡を要求する圧力をかけているのも日米軍事同盟強化のためです。
日本共産党は、日本でただひとつ、日米軍事同盟からぬけだして日本を外国の軍隊のいないほんとうの独立国家にすること、世界とアジアの平和に貢献することを主張している政党です。軍事同盟に縛られ、巨大な軍事基地をおかせ、米国の無法な戦争に動員される体制を「永久不変」だと考える勢力には、およそ国の独立と平和を語る資格はありません。
日米安保条約をなくすのにむずかしい手続きはいりません。日本の国会で、軍事同盟に反対する勢力が多数を占め、日米安保条約廃棄の決定をすることによって解決できる問題です。国会の決定にしたがって、日本の政府がアメリカに条約廃棄の通告をすれば、1年後には条約はなくなります。この手続には、相手国の同意はいりません。
条約を廃棄したあとは、アメリカと「友好条約」を結び、対等・平等の日米新時代に道をひらきます。
(つづく→)