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2011年11月4日(金)

民主、TPP論議紛糾

態度表明、10日で調整 首相は強硬姿勢

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 環太平洋経済連携協定(TPP)への交渉参加をめぐる民主党の党内論議が紛糾しています。2日の党経済連携プロジェクトチーム(PT)の総会では、野田佳彦首相がアジア太平洋経済協力会議(APEC)に行く直前の10日にも交渉参加表明を行うというニュースが流れていると紹介され、「総理が決めているのならこんな議論もうやめよう」「茶番だ」「意味がない」という厳しい批判が飛び交いました。

死ねということ

 農水省提出の資料で、TPPに参加した場合、日本の食料自給率が13%に下落し、失業者は350万人となる試算が改めて示されました。生産減少額は米で1兆9700億円、小麦で800億円、甘味資源作物で1500億円、乳製品で4500億円などとなっています。反対派議員は「これでは死ねということだ」と猛反発。怒号が飛び交う展開に、鉢呂吉雄座長は「与党として責任ある議論をしましょう。議員間の議論は非公開」としてマスコミの退席を要求しました。

 外務省提出の資料は、「米国が薬価制度に関連する政府の健康保険払戻制度の運用において透明性と手続きの公平性の基本規範が尊重されることを求めている」とし、薬品販売で制度改定の要求があるとしています。

 この間の政府説明では、遺伝子組み換え食品の表示ルールの変更を米国から提起される可能性が「排除されない」、米などの関税撤廃について「例外や再協議は原則として認めず」とする国が多いことなどが示され、TPPに反対する団体の指摘が裏付けられました。出席議員からは、「国民にそういうことをきちんと説明しないで進めるのはおかしい」という声が相次いでいます。

 TPP参加は混合診療の解禁や営利企業の医療参入をもたらすという声に対して、推進派は「(医療は)議論の対象になっていない」と繰り返しています。

 医療市場の開放が米国の対日要求となっている以上、交渉になれば具体化するという危惧にまともに答えていません。

週明けにも方針

 APEC出席を前に野田首相は2日の参院本会議で「できるだけ早期に結論を出す」と強調しました。

 紛糾している党内の動きを見極めて、週明けに関係閣僚会合などを開催し、交渉参加の方針を固めた上で、政府・民主三役会議で決定する段取りを描いているといいます。藤村修官房長官は2日の会見で、野田首相は主要20カ国・地域(G20)首脳会議から帰国後、来週にも国民向けの説明を行うという見通しを示しました。


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