2011年11月8日(火)
TPP交渉 混合診療の全面解禁
「排除されない」と政府 文書で明記
外務省は7日、環太平洋連携協定(TPP)加盟交渉参加問題を検討している民主党の経済連携プロジェクトチーム(PT)の総会で、日本の公的医療保険制度の崩壊につながる「混合診療」全面解禁について、「TPP交渉で議論される可能性は排除されない」とする文書を示しました。
日本共産党の志位和夫委員長が1日の代表質問で、「混合診療」の「全面解禁」を含め、医療でも米国による規制緩和が迫られているとただしたのに対し、野田佳彦首相は「対応が求められる可能性は完全には否定できない」と答弁していました。「混合診療」の「全面解禁」が「議論される可能性」を政府が直接認めたのは今回が初めてです。
また同省は、「鉄筋工」などの単純労働に近い職種の外国人労働者が「専門家」として入国することを認めるよう約束させられるとの懸念に対しても、TPP交渉でそのような「約束」が要求されるとの情報はないなど、不確実な説明をするにとどまりました。
総会ではTPP参加に慎重・反対の意見が続出しました。
同PTの鉢呂吉雄座長は、これまでの総会で約45時間を議論に費やし、延べ500人以上が発言したと説明。TPP交渉参加についての党の提言を「9日を目標として、なんとかとりまとめ、集約をはかっていきたい」との決意をあらためて表明しました。
混合診療 公的医療保険による診療(窓口の患者負担は医療費の3割)と、自費診療(自由診療、同10割負担)を併用すること。「必要な治療はすべて保険でおこなう」という公的医療保険制度の縮小・破壊につながり、患者の経済力による治療の格差を生み出します。日本医師会、日本歯科医師会、日本薬剤師会の3団体が出した、TPP交渉参加反対の統一見解でも、混合診療全面解禁を行うなと政府に求めています。
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