2011年11月8日(火)
TPP参加表明反対 超党派議員集会での
志位委員長のあいさつ
7日、国会内で開かれた、アジア太平洋経済協力会議(APEC)での環太平洋連携協定(TPP)交渉への参加表明に反対する超党派の議員集会で、日本共産党の志位和夫委員長が行ったあいさつは次の通りです。
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日本共産党の志位和夫でございます。日本共産党はTPP交渉参加には絶対反対ですが、まずはAPECまでの参加表明はさせないという一点で、党派の垣根を越えてがんばろうではありませんか。(拍手)
総理は、TPP、TPPといっていますが、なぜ今TPPなのか。その大義はひとことも国民に説明していません。(「そうだ」の声)
それからTPPに参加したらどうなるのか。これだけ不安や批判や怒りが広がっているのに、何一つ答えようとしていません。
衆院本会議で提起したTPP参加の四つの大問題
私は先日、衆院の本会議で、「少なくとも四つの大問題にちゃんと答えてください」と総理に聞きました。
第一に、TPP参加は、被災地の復興の最大の妨げになるのではないか。被災地の最大の産業である農林水産業への打撃をいったいどう考えているのか。
第二に、TPP参加となれば「関税ゼロ」となります。「関税ゼロ」と、政府が方針としている「食料自給率50%」が、いったいどうやったら両立するのか。アメリカやオーストラリアと競争するなんて、逆立ちしたってできるわけがないではありませんか。(「そうだ」の声)
第三に、農業だけではありません。「食の安全」、「医療」、「政府調達」など、国民生活のあらゆる分野が「非関税障壁の撤廃」の名のもとに交渉対象とされ、アメリカの対日要求が無理やりに押し付けられることになるのではないか。
そして第四に、「世界の成長を取り込む」というが、そんな保証はどこにあるのか。TPPに入ったら、日本の輸出が増えるという保証がありますか(「ない」の声)。日本の輸出の最大の障害になっているのは関税なんかじゃありません。為替ですよ。円高・ドル安ですよ。これを放置したまま、関税をなくしてごらんなさい。安い商品がどっと入ってきて、日本では失業者が増えるだけ。こんな道は許されるわけがありません。(「そうだ」の声)
TPP参加の根拠は総崩れ――亡国の道を許すな
この四つの質問に対して、総理からは何一つまともな答弁がなかったではないですか。繰り返したのは、TPPに参加するしないに「かかわらず」復興はやります、「かかわらず」食料自給率は引き上げます、ということでした。「かかわらず」というけれど、「かかわる」ことが大問題になっているんじゃないですか。(拍手)
みなさん。こんなやり方で、亡国の道を突き進む政治は、絶対に許すわけにはまいりません。(拍手)
それからもう一つ、総理から重大な答弁がありました。政府は、「非関税障壁の撤廃」――医療などの問題は「交渉対象になっていない」といってきたでしょう。ところが、それらが「対象になることは否定できない」と認めました。みなさん。推進派は「TPPお化け」などと中傷してきましたが、それにはまったく根拠がなかったのです。
TPP参加の根拠は総崩れではないですか(「そうだ」の声)。総崩れなのに、アメリカにいわれるまま、尻をたたかれて、アメリカの「使い走り」のように、この国を売り渡していいのか。断じてそんな道を進ませるわけにはいきません。その一点で党派の違いを超えてがんばろうじゃありませんか。(拍手)
党派の垣根を越えて、「APECでの参加表明はさせない」、「TPPへの暴走ストップ」、そのためにがんばる決意を表明しまして、ごあいさつとします。(大きな拍手)