2011年11月10日(木)
TPP 慎重に判断を
参加表明 民主PTが政府に提言
野田佳彦首相が12日からのアジア太平洋経済協力会議(APEC)で環太平洋連携協定(TPP)への参加表明をする姿勢を崩さない中で、民主党は9日夕、経済連携プロジェクトチーム(PT)の総会を国会内で開き、政府への提言を決めるための最終協議に入りました。総会では冒頭から、「APECで参加表明するのは時期尚早というまとめ方が自然だ」という慎重論が続出。数時間の議論のすえ、8日にまとめた提言案の修正に入り、「政府は慎重に判断すべきだ」とする提言を決めました。
8日のPT役員会では、提言取りまとめ案づくりで「合意」をみたとされていましたが、提言は慎重意見が多かったことを盛り込む一方で明確な方向性を示しておらず、推進派が「最終判断は野田首相に委ねた」などとしていることに反対派が反発。参加見送りを求める内容に修正すべきだとの声があがり、「TPPを慎重に考える会」のメンバー20人ほどが同日午後、首相官邸に押しかけました。また、総会に先立ち、慎重派の山田正彦前農水相が国会内で輿石東幹事長と会談し、「提言案を素直に読めば、APECで参加表明はできない」と主張するなど、反対の動きが強まりました。
日米FTA(自由貿易協定)に積極姿勢で、これまでTPPへの参加表明について態度を明確にしてこなかった小沢一郎元代表も、雑誌のインタビューで「今、米国が主張しているTPPをそのまますぐ受け入れることとは別問題」と発言したと報じられました。(「毎日」9日付)
党内からは「推進派の玄葉外相の地元・福島でも相当厳しい突き上げの声があがっている。容易ではない」「社会情勢の変化は想像以上」という声も出されています。
これに対し、野田首相は9日の衆院予算委員会でも「必要な説明はやってきた。さらにそうした説明責任を果たしていきたい」と積極姿勢を崩しませんでした。