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2011年11月19日(土)

復興特区法案に対する

高橋議員の代表質問

衆院本会議

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 18日の衆院本会議で行われた復興特区法案に対する日本共産党の高橋ちづ子議員の代表質問(要旨)は次の通りです。


 急がれることは、被災者一人ひとりの生活となりわいの再建に向けた明確な道筋を示すことであり、それを被災者自らが選び取れるようにすることです。

 法案は第1条で被災地域住民の意向の尊重をうたっています。しかし、被災地の実情や被災者の声を反映させる仕組みは明記されていません。企業には規制緩和と法人税等の減免や利子補給など参入しやすい条件が整備されており、復興計画が策定される過程での意見聴取、地域協議会への参加、規制の特例措置の提案権まで認めています。これに比べて被災者の意向はどう尊重されるのですか。

 復興産業集積区域で新規立地する新設企業に法人税を5年間実質免除するなど、税制面での特例措置を定めています。被災地で営業・操業する企業や商店にも同様の扱いをするべきです。5年間の特例措置の期限が過ぎれば企業が撤退する可能性もあります。指定企業の身勝手な撤退やリストラを防ぐため歯止め策が必要です。

漁業法の特例

 特例措置の一番目が漁業法の特例です。沿岸漁場の漁業権が漁協に優先的に与えられているのは、紛争回避と資源管理のため漁業関係者が漁場をみんなで管理するという考え方にたって歴史的に確立されてきたものです。

 漁業権を、漁協の頭越しに民間企業に与えることに対し、全漁連をはじめ多くの漁業者が「浜の秩序を崩壊させる」と怒りの声を上げています。現行法でも民間企業が養殖漁業を営むことは可能であり、実例もあります。法案には民間企業が地域協議会を通じて特例措置を提案できる仕組みもあります。漁業法の特例を認めた第14条は削除すべきです。

 政令等で規定された規制の特例措置として医療従事者の配置基準や介護施設等に対する医師の配置基準を弾力的に対応できるとしています。被災地では体制が確保できず、弾力化を求める声もありますが、医療従事者の労働条件改善と利用者の安全確保は表裏一体であり放置できない問題です。通常の基準に見合う体制を確保できるよう報酬単価の引き上げ等を行うべきです。体制確保が困難なことに対し診療報酬のカットなど制裁措置はやるべきではありません。

 総合特区法の際、条例によって地域限定で医療法や薬事法などを書き換える条項が検討されましたが、政府は、法律を条例で書き換える仕組みは憲法上困難とくり返し答弁しています。「上書き権」を認めるべきではなく、法律でなく政省令ならよいということも慎重であるべきです。

 法案には、医療機器の製造販売業などの許可基準を緩和する薬事法の省令改正の特例措置が盛り込まれました。政府はTPP(環太平洋連携協定)交渉をめぐる議論で、「公的医療保険制度を守る」と述べてきましたが、医療特区構想などを通して、混合診療などで制度の根本に穴をあけてはなりません。

復興交付金事業

 復興交付金事業は、補助要件の緩和や自治体負担の大幅な軽減を図り、復興事業を推進しようとするもので、被災地の要望に応えたものです。防災集団移転促進事業では、自治体負担軽減や対象外だった病院など公益的施設の用地造成も対象となりました。しかし、自治体の負担が軽減されても、移転先の住宅購入費用等の個人負担が重く、事業そのものが進まないのが実情です。被災者生活再建支援金の大幅引き上げを含め住宅再建に対する被災者個人の負担軽減措置が必要です。

 福島県では、県内外15万人ともいわれる避難者をはじめすべての県民、原発被災者の生活とふるさとの再生の道筋を示すとともに全面的な制度・財政保障を明記した特措法が求められます。来国会に提出する法案の意義や内容について答弁を求めます。


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