2011年11月22日(火)
八ツ場ダム 費用対効果4年で倍に
塩川氏 過大推計指摘
事業継続の是非が検討されている八ツ場(やんば)ダム(群馬県長野原町)について国土交通省関東地方整備局が10月に作成した「検討報告書」の内容に「信頼性に疑問」があるとして、日本共産党の塩川鉄也衆院議員が21日までに質問主意書を提出しました。
質問主意書でただしたのは、八ツ場ダムの「費用対効果」の記述です。同整備局の報告書によると、ダムで得られる治水や利水の利益について、同ダム建設にかかる費用(総事業費)の「6・3倍」もあるとしています。
同整備局が2007年12月に示した費用対効果は「2・9」。09年2月では「3・4」となっていました。今回の「6・3」は、4年で2倍以上の増加となります。
この急増について、質問主意書は、洪水調節や観光で得られる便益の水増しを指摘しています。
さらに塩川議員の調べによると、報告書で国交省は八ツ場ダムがない現状では毎年6788億円の洪水被害を想定していることが分かりました。
しかし、塩川議員が過去48年間の利根川流域での被害額を調査したところ、年平均179億円の被害にすぎません。38倍となる国交省の想定について「実際の洪水被害発生額とかけ離れた架空の数字」と疑問をつきつけました。
こうした過大な想定額の根拠と野田内閣の認識を質問主意書はただしています。