2011年11月24日(木)
水産特区 震災被害に追い打ち
高橋議員質問 “漁民が落胆”
日本共産党の高橋ちづ子衆院議員は、22日の東日本大震災復興特別委員会で復興特区法案の質疑に立ち、養殖の漁業権を漁協だけでなく民間企業にも優先的に与える特例措置(水産特区)についてただしました。
現行法でも企業参入は可能であり、なぜ特例をもうけるのかとの追及に対し、鹿野道彦農水相は「一つの選択肢を提起した」との答弁を繰り返すだけでした。
高橋氏は、養殖業の再開が困難な浜に本当に企業が参入するのか、参入しなければ逆に企業の協力を期待していた漁業者が落胆し、漁業をあきらめるか、さらに参入しやすい要件緩和を迫られるかしかないと迫りました。そして、本当に企業に参入の熱意があれば現行法でも参入できると指摘しました。
高橋氏は、三陸の銀ザケ養殖に参入した大手水産企業が1993年に撤退した後、逆に南米から日本への輸入に転じたことを紹介。そこから、県漁協と関連業者との協力で、この15年で銀ザケのブランド化を成長させてきた取り組みにふれ、「この努力が震災で元に戻ってしまった。その上、水産特区や環太平洋連携協定(TPP)で追い打ちをかけるのは許されない。本来やることは、一日も早い浜の再建だ」と強調しました。