2011年11月25日(金)
旧新生党マネー1億円 小沢元代表支部へ流れる
公金私物化、迂回献金の疑い
収支報告書で判明
旧新生党が解党時に残した政治資金のうち1億円が、民主党の小沢一郎元代表の政党支部に資金移動していたことが24日、岩手県選挙管理委員会が公表した2010年分の政治資金収支報告書でわかりました。この旧新生党マネーの移動は09年も行われ、政党資金の私物化や政治資金規正法逃れの“迂回(うかい)献金”の疑いが指摘されています。
1億円の移動先になったのは、小沢元代表が支部長をつとめる民主党岩手県第4区総支部です。
政治資金収支報告書によると10年の1年間に同支部には、旧新生党系の政治団体「改革フォーラム21」(総務相届け出)から1億円の寄付がありました。
1993年に結成した改革フォーラムは当時の新生党国会議員44人が会員の政治団体。小沢元代表は会員の1人にすぎませんでした。
改革フォーラムには、新生党が94年12月に新進党に合流する際、新生党本部や10支部の資金9億2526万円が集められました。こうして集まった資金のうち、4億7970万円は新生党が国から交付を受けた立法事務費です。
立法事務費は、調査研究のために国会内の会派に支給される公金です。会派に所属する議員の数に応じて支給されます。
翌日には陸山会
改革フォーラムは、09年にも民主党岩手県第4区総支部に3億7000万円を寄付。その翌日に、同支部は小沢元代表の資金管理団体「陸山会」にそっくり3億7000万円が移動していました。
陸山会に集められた資金は、衆議院が解散した09年7月21日に小沢元代表に近い議員や候補者91人への“陣中見舞い”にあてられたとみられます。
こうした資金の使われ方は、政党に交付された公金の事実上の私物化です。
寄付の上限なし
また政治資金規正法では、政治団体間の寄付は年間5000万円までの上限規制があります。しかし政党支部と政治団体の寄付には、上限がありません。第4区総支部を経由した“迂回”献金の疑いもあります。
10年の第4区総支部には、小沢氏の政治団体「誠山会」(同)からも9588万円の寄付がありました。
小沢元代表は陸山会の土地購入をめぐる政治資金規正法違反の罪に問われ、現在、東京地裁で公判中です。
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