2011年12月6日(火)
宝の海有明海 回復を
漁民ら開門求める 福岡高裁で控訴審始まる
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諫早湾内と周辺の漁民が国営諫早湾干拓事業(長崎県諫早市)で設置された潮受け堤防開門を求めている小長井・大浦訴訟の控訴審が5日、福岡高裁(廣田民生裁判長)で始まりました。開門請求を退けた長崎地裁判決(6月)に対し漁民が控訴したものです。
原告団長の松永秀則さん(長崎県諫早市、小長井漁協理事)と馬奈木昭雄弁護団長が意見陳述しました。
松永さんは、タイラギ(二枚貝の一種)が19年連続休漁に追い込まれたうえ、アオコにまみれた潮受け堤防からの排水によって魚や貝までカビ臭いアオコ臭がして売り物にならなくなった有明海の現状を告発。地域のしがらみから開門阻止訴訟にも加わっている漁民からも「開門を実現してほしい」との切実な訴えが寄せられていることを紹介し、「一刻も早く開門を認め、宝の海・有明海をよみがえらせてください」と訴えました。
馬奈木弁護団長は、開門を命じた福岡高裁判決(昨年12月6日)が干拓事業で漁業被害が生じたこと、その被害が違法状態であると認めたことを強調。「国は裁判所が『違法状態を解消せよ』と排水門の常時開放を命じた高裁判決に従い、一日も早く開門せよ」と述べるとともに、裁判所にすみやかな開門実現へ迅速な訴訟進行を求めました。