2011年12月9日(金)
福島産米セシウム基準値超え
検査強め全量買い取れ
紙議員要求
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福島県産米から基準値を超える放射性セシウムが検出されている問題で日本共産党の紙智子議員は8日の参院復興特別委員会で、抜本的な検査体制の強化とコメの全量買い上げを求めました。
紙氏は、県内農家などから「国や県の指示どおりやってきたのに涙がでる」「(検査)機器が足りなかった」との声があがっていることを紹介。原発の「安全神話」によって安全基準も検査体制もつくられておらず、15ヘクタールに1カ所という粗い検査しか行わなかったことを指摘し、「ホットスポットはまだらにあるので、検査が粗かったということであり、国の不手際だ」とただしました。
鹿野道彦農水相は、「検査体制に限界はあった」と認め、野田佳彦首相は「重く受け止めなければならない。(平成)24年産米の作付けの考え方や調査の在り方を早急に検討させる」と答えました。
農水省がこの間増やしている検査機器は国内分22台、輸出用19台で、輸出用に比重をかけ、通達でも「国内用検査は余裕がある場合に限る」と、輸出用を優先しています。
この実態を指摘した紙氏は、「国内で危険なものは一切流通しない状況になってこそ外国に出せる」と強調。一戸一戸の農家(平均2ヘクタール)で検査することや、各都道府県に放射線検査センターを開設するなど、抜本的に検査体制を強化するよう求めました。野田首相は、「検査体制の強化に努めていく」と答えました。
紙氏はJAふくしまから、「出荷できなかったコメはどうすれば良いのか」と悲鳴があがっていることを紹介し、「国が全量買い上げ、東電に賠償させるべきだ。生産者には絶対に負担させてはならない」と迫りました。
野田首相は、「第一義的には東電が賠償すること。早期実現に全力を尽くす」と答えました。