2011年12月13日(火)
組織対策費 民主9億円
政策活動費 自民8億円
議員に配り使途不明
国民の税金である政党助成金に党財政を大きく依存している民主、自民両党が、特定の国会議員に支出し、その後の使途は不明という不透明な資金を、2010年に、それぞれ約9億円、約8億円も計上していたことが、政治資金収支報告書でわかりました。
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収支報告書によると、民主党は、小沢一郎元代表が幹事長だった昨年1月26日〜5月18日の間に、「組織対策費」の名目で4人の幹部に12回にわたって総額8億9700万円を支出していました。小沢氏が党の“財布”を握る幹事長を辞任した6月以降は、「法律顧問料」や「弁護士報酬」という支出があるだけで、こうした支出はありませんでした。
組織対策費の内訳は、当時の佐藤泰介財務委員長(昨年の参院選で引退)に8回に分けて計8億6700万円、輿石東参院議員会長(現幹事長)には2回で計2000万円、山岡賢次国会対策委員長(現消費者担当相・国家公安委員長)、石井一選挙対策委員長(当時)に1回ずつ各500万円でした。
民主党は、小沢氏が党代表に就任した06年から組織対策費を増額させ、おもに財務委員長に支出、選挙対策などに投入されたとみられます。総選挙のあった09年は5億4000万円もの組織対策費が支出されていましたが、7月に参院選を控えた昨年は、さらにこれを7割近くも増やしたことになります。
一方、自民党は、「政策活動費」の名目で、大島理森副総裁に30回に分けて、計4億1150万円、石原伸晃幹事長に7回に分けて、計1億8160万円など、計17人に7億7900万円を支出。
このうち、参院選の公示(6月24日、7月11日投票)が迫った5月31日に、当時、参院議員会長だった尾辻秀久元厚生労働相に6000万円、参院選さなかの6月28日〜30日に河村建夫選挙対策局長に計1000万円などの支出が目立ちます。当時、幹事長だった大島氏には、公示直前の6月14日〜21日に計7100万円が集中的に支出されていました。
問題は、党本部からこれらのカネを受け取った議員が、何に、どう使ったのかなど、収支報告書では一切、わからないことです。
政治資金規正法は、組織対策費や政策活動費など、政治家個人に支出された場合、その政治家の領収書があれば、その先の使途については、報告を求めていないからです。
2010年の収支報告書によると、民主党は約171億円、自民党は約102億円の政党助成金をそれぞれ受け取り、収入に占める割合は、民主党82・7%、自民党67・4%。国民の税金に大きく依存しているだけに、使途を明らかにしなくてもいい巨額なカネの存在は重大です。
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