2011年12月29日(木)
「あきれて物が言えない」稲嶺名護市長
沖縄防衛局の不意打ち
米軍普天間基地(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古「移設」に向け、環境影響評価書が入った段ボール箱16個を28日未明に沖縄県庁に一気に運び込むという、不意打ちを食らわすような防衛省側の手法は「あきれて物が言えない」(稲嶺進名護市長)と地元の新たな反感をよんでいます。
沖縄防衛局職員を乗せた大型ワゴン車は午前4時すぎ県庁に到着しました。外はまだ真っ暗。陣頭指揮を執ったのは真部朗局長です。真部氏は暴言で更迭された田中聡前局長の後任で、19日付で着任したばかり。職員十数人で段ボール箱を守衛室まで運び込みました。
沖縄防衛局は評価書提出のタイミングを26日から模索しましたが、県民の抗議行動のなか失敗。一川保夫防衛相は27日夜、提出を年明け以降に先送りする可能性に言及し、防衛省内からも「年内提出にこだわる必要はない」(幹部)との声が漏れ始めていました。
日米両政府は評価書の年内提出を県内「移設」実現への「目に見える進展」と位置付け、沖縄側の事情をよく知る真部氏を中心に沖縄防衛局が「作戦計画」を練りました。
未明の搬入について、防衛相は記者団に「現場の判断だ」と説明、事前には知らされていなかったとしています。
一方、首相官邸も提出自体は「事務的な手続き」(藤村修官房長官)として関与を避け続けました。