2012年1月3日(火)
平和の祈り鐘にのせて
広島・多聞院
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広島市南区の比治山(ひじやま)公園入り口にある真言宗の寺院、多聞院(たもんいん、亀尾融外住職)の鐘が1日、原爆投下時刻の午前8時15分に打ち鳴らされました。被爆67年の今年も「NO MORE HIROSHIMAS(ノーモア ヒロシマズ)」と刻まれた鐘が毎朝、8時15分に「平和の祈り」を響かせ続けます。
多聞院は爆心地から東へ約1・7キロ。市内が一望できる小高い丘にあるため1945年8月6日に投下された原爆の直撃にさらされましたが、鐘楼は丈夫な木造で一部損壊したものの、骨組みは全くゆるぎませんでした。
軍部に供出させられた鐘は戦後、檀家(だんか)の多くを原爆で失ったため、鐘を再建できたのは4年後の49年8月。二度と核兵器の使用を許してはならないと、近所の人たちは「平和を祈る8時の鐘」と呼び、親しんでいます。広島市は1998年5月、被爆の証しとして永久保存建造物に指定しました。