2012年1月9日(月)
高山植物帯に激変
欧州調査 温暖化の影響深刻
欧州の山々に生えている高山植物への温暖化の影響は、研究者たちが当初予想していたより深刻であることが、欧州13カ国の研究者でつくる国際グループが欧州の広い範囲で調査した結果明らかになりました。8日付の科学誌『ネイチャー・クライメート・チェンジ』電子版に発表しました。
研究グループは2001年と08年に、北は北極圏に位置するスカンディナビア半島の山岳地帯から南は地中海に浮かぶマルタ島の山岳地帯まで、欧州各地の17の領域にそびえる60の山々で森林限界より標高が高い場所に生えている植物を採取し、その変化を調べました。その結果、16の領域にある42の山々で、寒冷な気候を好む植物が生えていた場所に、温暖な気候を好む植物が生えるようになっているのが確認されたといいます。
一部の山では、草原が今後数十年のうちに低木が生える場所としてとって代わられる可能性があることがわかったといいます。
研究グループの中心メンバーは、「温暖な気候を好む植物が多数見つかるだろうと考えていたが、これほど大きな変化が起こっているとは予想もしなかった」と述懐。貴重な遺伝子の宝庫でもある高山の植物を守るために、私たちは現在の気候変動を緩和しなければならないと強調しています。