2012年1月15日(日)
きょうの潮流
寒さが身にしみる季節になると屋台が恋しくなります。落語に「時蕎麦(そば)」という噺(はなし)があります▼16文の代金を払う時に「まちがえちゃいけねぇから」と、1文ずつ手渡し。8文まで払った時に、おやじに「いまなんどきだ」とたずねる。「ここのつ(9)」(いまの午前0時ごろ)とおやじ。すかさず、「とう(10文)」と続ける▼おわかりですね。1文ごまかす。これをまねた別の男が、時間のタイミングを間違え、大損するというお笑い。落語なら、「お後がよろしいようで」となりますが、現実の政治や経済の世界で数字のごまかしは、許されません▼消費税増税をめぐるごまかしも要注意。民主党政権が「まず政治家が身を切る」と持ちだしたのが衆院比例定数80削減です。それで節約できる額は56億円にすぎません。なぜ政党助成金320億円をただちに返上するといえないのか。日本共産党は受け取っていません。しかも比例代表削減で「切る」のは民意です▼財源をめぐり大企業に、もうけに応じたそれ相応の負担をというと、政府は税金を安くしないと「海外に逃げる」とお決まりの反論。ところが、政府調査でも企業の海外進出の理由として税の優遇はわずか。ほとんどの理由が進出先の「需要」です。国内の需要を弱めたのはだれか▼消費税10%で13兆円、年金支給削減などとあわせ16兆円もの負担増になる税と社会保障の一体改悪。「ギブアップ」(あきらめた)と野田政権にいわせないと日本経済のお後はよろしくありません。