2012年1月16日(月)
オスプレイの低周波 ジュゴン内耳損傷も
環境影響評価書に記述
沖縄県名護市辺野古に米海兵隊新基地が建設された場合に配備される垂直離着陸機MV22オスプレイが飛行時に発する低周波音で、辺野古付近に生息する天然記念物ジュゴンの内耳の損傷を引き起こす可能性が、新基地建設に向けた環境影響評価書の記述から判明しました。
評価書では、「低周波音は、ジュゴンに対し内耳への影響と肺の共振を引き起こす可能性がある」とし、「米軍のソナー使用による生物への影響に関する調査報告書」によれば、低周波音の音圧レベルが180デシベル以上で、「内耳の損傷や組織破壊といった症状が発生する可能性」があると記述しています。
評価書は、「ジュゴンに影響を及ぼす可能性はないと予測」と結論づけています。その理由として、オスプレイが設定した最低高度(約152メートル)で飛行した場合、飛行経路直下の水面下1メートルの音圧レベルが「最大で135・9デシベルと推定」されるからだとしています。
しかし、同時に評価書で「ジュゴンに対する低周波音の影響に関して直接的に調査した事例」はみられないとしていることなどから、可能性は完全には否定できません。