2012年1月20日(金)
オスプレイ影響精査せよ
沖縄県アセス審査会 評価書に批判
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沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設に伴う環境影響評価(アセスメント)の評価書を審議する県環境影響評価審査会(会長・宮城邦治沖縄国際大学教授)の初会合が19日、西原町で開かれました。
審査会は、県条例に基づく飛行場建設にかかるもの。「環境保全上、特段の支障は生じない」と結論付けた総合評価について、委員から批判・疑問視する意見が相次ぎ、評価書のずさんさが浮き彫りとなりました。
評価書で初めて記載された垂直離着陸輸送機MV22オスプレイについて審査会は、「きちんとした調査を実施すべきだ」として、配備に伴う環境影響を正確に把握するため、個別に調査を実施するよう求めました。
宮城会長は、場周経路が台形から楕円(だえん)形に変更された点に触れ、「飛行ルートのイレギュラー(逸脱)は普天間基地の実態を見てもあり得る」と批判。堤純一郎副会長(琉球大学教授)は、オスプレイの低周波音被害について「目や耳で感じない身体的・心理的被害は、性質的に一般音域の周波数よりも危険性が高い」として、希少生物や人的被害への影響を考慮するよう求めました。
審査会は複数回の審議を経て、知事意見提出期限の2月20日までに意見書を答申します。次回の審査会は27日に行われる見通し。会には約100人の市民が傍聴に詰めかけ、3時間におよぶ審議の様子を注視しました。