2012年1月23日(月)
復興掲げ 岩手県漁民組合誕生
漁業っていいな、と若者が思える組織に
東日本大震災で大きな被害を受けた三陸沿岸で、漁業の復興と漁民の生活と権利を守ることを掲げ、岩手県漁民組合の結成総会が22日、同県山田町で行われました。
6市町村から参加
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同組合は昨年10月に結成された山田漁民組合を、全県の漁民を対象にした組合として発展させることにしたもの。漁民の所得向上と、漁民の声を大事にする漁業協同組合運営の民主化を求めていくとしています。
山田漁民組合の佐々木安教組合長は「みなさんの力を結集して、漁業で生活できる所得に向上させ、岩手の漁業を発展させたい」と呼びかけました。
出席者から「ああ漁業っていいな、と若い人が思える組織をつくりたい」「養殖漁民置き去りの県の復興策を変える」「漁民の間にあきらめムードも出ていたが、これでいろんなプランも出てくる」という意気込みが語られました。
また、漁協との関係についても「対立するのでなく漁業の発展のために互いに力を出そう」という意見が出ました。
同組合は農民運動岩手県連合会に加入して、海産物の産地直売なども展開するとしています。岩手農民連の堂前貢副会長は「農民一揆のように、一緒に声を上げ、運動を広げていこう」とあいさつしました。
三重大学生物資源学部の勝川俊雄准教授が記念講演。「漁業発展のためには、原発事故による放射線の測定や、資源管理、漁民の所得が保障される流通のあり方の検討が大事だ」と語りました。
総会には陸前高田、大船渡、釜石の各市、洋野、山田両町、田野畑村の6市町村から各地の代表が集まりました。漁協の1割の組織をめざしており、現在組合員は約70人。組合長に洋野町の蔵徳平さんを選出しました。
日本共産党からは中村勝明・田野畑村議が出席しました。