2012年1月24日(火)
日本が支出の海兵隊グアム移転費
使われず利子3億円も
在沖縄米海兵隊のグアム移転経費として日本政府が米国に支払っている資金のほとんどが使われず、約3億円の利子が発生していることが、防衛省が日本共産党の井上哲士参院議員に提出した米財務省の「勘定」(口座)から判明しました。
海兵隊移転を柱とするグアム増強計画が完全に行き詰まっていることが、会計面からも浮き彫りになりました。
2009年2月に合意されたグアム協定では、日本側は米側に「真水」(国の財政からの直接支出)分として28億ドルを支払い、米財務省はこれを受け取るための「小勘定」を日本の年度ごとに開設するとしています。
防衛省が提出した09年度、10年度分の「小勘定」記録によれば、09年度分の場合、日本側から3億3600万ドルが払い込まれ、このうち米側が使ったのは923万ドル。10年度にいたっては、支払金額4億9780万ドルが手つかずのままです。11年度分については計上しているものの、日本政府は現時点で米側に支払っていません。
一方、利子が09年度分で211万ドル、10年度分で170万ドル発生。合計利子381万ドルを現時点での為替レート(1ドル=77円)で計算すると約2億9340万円になります。このまま資金が使われなければ、利子はさらに増えます。
日米両政府は06年に、海兵隊員8000人と家族9000人を14年までにグアムに移転することで合意。しかし、米国は財政難のため、移転経費のうち米側負担分を11会計年度から大幅削減、12年度から全額削除しました。基地や部隊の配置をめぐって米軍内部での調整もついておらず、計画は凍結状態になっています。
グアム協定は、事業が終了した場合、提供した資金の残額と、発生した利子を日本側に返還することを定めています。計画の破たんが鮮明になっている以上、一刻も早くグアム移転経費の返還手続きを取るべきです。
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