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2012年1月31日(火)

チリ、大企業に増税

大統領が方針 教育・中小企業予算確保へ

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 【メキシコ市=菅原啓】南米チリのピニェラ大統領は、教育予算の増額や中小企業の支援策強化に充てる財源として、大企業に対して増税する方針を明らかにしました。地元紙メルクリオ29日付のインタビューで語りました。


 チリでは、昨年から公教育の無償化を要求する学生運動が活発化し、政府は、無償化には応じないものの、奨学金枠の大幅拡大を約束してきました。また、欧州諸国などの金融危機の影響が次第に明らかになるもとで、中小企業への支援策を求める声が高まっています。

 ピニェラ大統領はメルクリオ紙のインタビューで、これらの緊急課題での財源を問われ、「特に一流企業、つまり大企業に対する税金を引き上げようではないか」と回答しました。

 また「(税金逃れの)抜け穴を一掃し、中所得層や中小企業に減税を行う」ことや、税制上の「ゆがみ」を是正する方針を説明。税制改革法案を3月か4月に国会に提出するとしました。

 チリの財政対策については、昨年10月、国際通貨基金(IMF)が報告書で、「気前の良い優遇策や税制上の譲歩を減らし、直接税を増額する可能性が検討されるべきだ」と勧告していました。

 ピニェラ政権は2010年2月の大地震による被害からの復興財源のためとして、大企業の法人税を17%から20%に引き上げています。ただ、これは2012年までの暫定的な増税でした。

 同大統領は、増税の具体的な引き上げ率などには触れませんでした。しかし、今回の表明には、たんなる増税だけでなく、大企業向けの優遇策に関連して、ゆがみを是正することや、脱税の防止策強化が含まれています。


 チリ 人口約1700万人でスペイン系75%と他の欧州系20%、先住民5%で構成。南北に4000キロ以上ある国土面積は約75万6100平方キロで、日本の約2倍。北部は砂漠、中部は温帯の農牧地帯、南部は森林湖沼地帯になっています。巨大な石像群モアイで有名なイースター島を領有。

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