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2012年2月9日(木)

TPP協議 日本側の「全品目対象」表明

「国益の視点」成り立たず

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 環太平洋連携協定(TPP)交渉への日本参加に向けた日米政府間の初の事前協議が7日行われ、日本側が「全ての品目を交渉対象とする」との基本方針を米側に伝えました。TPPは、もともと例外なき関税撤廃を原則としています。事前協議で日本側が改めてこの原則に従うことを約束しました。

 すべての農産物の関税が撤廃されれば、日本の農業への破壊的打撃は避けられず、東日本大震災からの復興への最大の妨げになります。野田佳彦首相は、「あくまで国益の視点に立って、TPPについての結論を得ていく」などといいます。野田首相のいう「国益の視点」という理屈は、日本側の基本方針自身によって成り立たないことが事前協議でも示されました。

 米国政府は、すでに日本のTPP参加への業界団体や企業からの意見を集めています。そこには、関税の撤廃だけでなく、食品添加物や残留農薬規制の緩和、米国産牛肉の輸入規制撤廃、税関手続き緩和など「食の安全」にかかわる重大問題が提起されています。米国の業界団体は、米国の投資家保護の名目で日本政府を訴えることができる制度の構築や、自国の自動車業界救済のための輸出拡大策を求めています。公式文書に英語の使用を拡大することさえも要求しています。

 しかもTPP交渉では政府間の協議を秘密にする合意がすでにあり、どのような協議が行われるかの情報も国民には入りません。

 全国農業協同組合中央会(JA全中)は、日本がTPPに入り、農業生産が減少すれば、「食料供給を一層の輸入に依存せざるを得なくなり、国際的な食料需給はひっ迫し、食料価格が高騰することになる」としています。日本がコメを大量輸入することになれば、世界の飢餓人口は現在の9億2500万人に加え、アジア地域で2億7000万人増加する可能性があるといいます。

 野田政権は、幅広い反対の声を無視して、TPP参加に突き進んでいます。しかし、日米間の協議が進めば進むほど、TPPに日本は参加すべきでないことが明らかになっていくでしょう。 (金子豊弘)


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