2012年2月14日(火)
高校無償化見直し 密室談合に流れる民自公
国会の場で堂々議論を
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13日の衆院予算委員会は、高校授業料の無償化をめぐって民自公が結んだ「3党合意」について、自民党が「民主党の態度が不誠実だ」として審議に応じず、午後に予定されていた審議が中止となる事態となりました。
3党合意は昨年8月、予算の歳入となる特例公債法案の成立と引き換えに密室談合で結ばれたもの。自民、公明両党に従い、高校無償化を2012年度以降、「政策効果の検証をもとに必要な見直しを検討する」としました。
高校無償化は、世界の大勢が高等教育の無償化を図るなかで日本でも当然やるべきものです。これを機に高等教育の段階的無償化に向かうことこそ求められています。
この日、予算委員会が中断した発端は、自民・下村博文氏の質問。下村氏は「(3党合意には)『予算編成プロセスなどにあたり、誠実に対処する』とある。再三協議を要請しているが、民主党は協議に応じないまま予算を出してきた」と指摘。これに対し、当時の幹事長だった岡田克也副総理は「党の役職を離れていたので十分承知していない」とはぐらかしました。
しかし、下村氏から「岡田幹事長は責任をもってサインをしている」と指摘されると、岡田氏は苦りきった表情で「検証はなされる必要がある。その後のことは検証結果いかんによって進められていく」と答弁。野田佳彦首相も「3党合意に基づいて検証をすることは大事」とのべ、3党合意にもとづいて見直しをすすめていく考えを表明しました。
野田首相は下村氏の前に質疑に立った民主党議員への答弁で、高校中退者の減少や再入学者増加などを挙げ、高校無償化が「一定の効果がある」と実績を強調したばかり。無責任な姿勢を際立たせました。
自民党は昼に開かれた予算委理事会で、与党の見解を示すよう要求し、午後の審議は再開されませんでした。3党の密室談合への態度を持ち出して審議に影響を及ぼすこと自体問題です。
その後、民主、自民の国対委員長が協議。自民党は3党による幹事長会談を開いて、民主党が謝罪し、無償化の見直し作業や予算への反映などについて文書を交わすことを要求。民主党は持ち帰り検討したいとして結論は持ち越されました。
予算審議を中断して再び民自公3党の協議に持ち込んでいくやり方も問題です。高校授業料の無償化、教育負担の軽減の問題は、国会審議の場でこそ堂々と議論すべきです。