2012年2月25日(土)
新規制値 4月から
食品セシウム 乳児50ベクレル新設
厚生労働省の薬事・食品衛生審議会は24日、食品に含まれる放射性セシウムの新たな規制値案を了承しました。厚労相は同審議会の答申を受けて新規制値を正式決定し、4月から適用します。
新規制値は、食品による被ばく量の上限を、暫定値の年間5ミリシーベルトから1ミリシーベルトに抑えることにしています。
それにもとづいて、粉ミルクなど1歳未満児用の食品を「乳児用食品」として新しく分類し、1キロ当たり50ベクレルに、穀類や肉、卵、魚、野菜などを「一般食品」として、暫定値の同500ベクレルから5分の1の100ベクレルに、「牛乳」を200ベクレルから4分の1の50ベクレルに、「飲料水」を200ベクレルから20分の1の10ベクレルにします。
また、出荷後の流通期間が長いコメ、牛肉、大豆については、暫定値を適用する経過措置を設け、コメと牛肉は10月から、大豆は来年1月から新規制値を適用します。
文部科学省の放射線審議会では今月、「乳児用食品」「牛乳」について特別の基準は不要とする見解を示していましたが、薬事・食品衛生審議会は新規制値案が「適当」としました。
また、同審議会では、新規制値案について1月6日から今月4日まで同省が行った意見募集の結果も公表。1877件あった意見のうち、最も多かったのが、基準値をもっと厳しくするべきだとする1449件で、子どもに対して、さらに配慮した基準値にすべきだなどとするのが819件、十分な検査体制を整備すべきなど検査体制・検査方法の意見が376件で、新規制値は厳しすぎるとの意見は55件でした。
審議会では、コメなど経過措置を設けた食品の場合、暫定値の適用食品と新規制値適用の食品の区別ができないといった表示の問題、規制値を上回る食品が検査できず市場に出回ることがないよう検査体制の整備を求める意見などがありました。
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