2012年2月29日(水)
辺野古アセス 防衛局ぐるみ構図はっきり
審査委員は発注者 笠井議員の追及
28日の衆院予算委員会で、政府が狙う沖縄県名護市辺野古への米軍新基地建設に関する環境影響評価書の発注業務をめぐる疑惑を追及した日本共産党の笠井亮衆院議員。沖縄防衛局ぐるみの構図が浮き彫りになりました。
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笠井氏の質問に渡辺周防衛副大臣は、防衛局が発注した業務は34件86億円超に上り、受注9社のうち5社に防衛省OB7人が天下りしていることを報告しました。5社で93・4%を受注。落札率は99・97%で予定価格との差額が1万2589円しかないものもあります。
笠井 アセスの結論が新基地建設ありきになるのは当然だ。「お手盛りアセス」だ。
田中直紀防衛相 法令に従って適切に処理している。
思い通りに作成
開き直る防衛相に対し、笠井氏は発注の大半が「プロポーザル方式」を採用していることを指摘しました。
同方式では、入札参加表明企業について、防衛局内に設置された「競争参加資格・指名審査委員会」が審査し企業を選定、随意契約する手順になっています。
笠井 入札監視委員会の議事概要をみると職員が評価しているとある。審査委員会のメンバーは防衛省職員ではないのか。
防衛相 審査委員会の構成は沖縄防衛局長はじめ防衛局のメンバーである。不十分であれば対応を考えないといけない。
笠井 審査会のメンバーが発注者側の職員で構成されているとは驚くべきことだ。
笠井氏は「天下り先企業に業務を独占的に受注させることや、防衛省の意向に即したアセスを作成するのも思いのままだ」と批判しました。
笠井氏は、受注企業に天下ったOBのなかに、2006年の防衛施設庁談合事件で処分を受けた人物がいるのではないかと追及。訓戒処分を受けた元北関東防衛局調達部長が元請けの日本海洋コンサルタントに、2級降任の懲戒処分を受けた元・施設庁建設部長が、下請けの海洋プランニングにそれぞれ天下っている事実を突き付けました。
笠井 官製談合を主導した“談合のプロ”が天下っている。自作自演のやらせの構図だ。徹底調査するべきだ。
防衛相 再就職したことが適切であったかについては調査し、報告する。
防衛局長が関与
さらに、笠井氏は業者選定から発注にいたるまで責任を負う「支出負担行為担当官」の関与について追及。
田中防衛相は、担当官は真部朗沖縄防衛局長と答弁しました。笠井氏は、2008年度以降、田中聡前防衛局長による3件を除き、すべての業務について企業の選定から天下り先企業と契約を結んだのが真部氏だとのべ、徹底調査を求めました。
さらに、業者名や選定理由などを閲覧できるようにしなければならないのに、実施されていないことを指摘。渡辺周防衛副大臣は「ご指摘をふまえ、確認したい」と言わざるをえませんでした。笠井氏は「なぜ情報を公開していないのかも調査する必要がある」とのべ、真部局長の参考人招致を求めました。
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