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2012年3月2日(金)

高尾山傷つける圏央道

控訴審最終弁論 住民らが訴え

東京高裁

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(写真)最終弁論を前に東京高裁に向かって行進する人たち=1日、東京・霞が関

 千数百種の植物などが生息する高尾山(東京都八王子市)への圏央道トンネル建設に伴う国の事業認定は違法として、住民と自然保護団体が取り消しを求めた「高尾山天狗(てんぐ)裁判」行政訴訟の控訴審最終弁論が1日、東京高裁でありました。

 植物学者の吉山寛原告団長は「高尾山は私の師匠であり教室だ。高尾の名がついた植物も11種ある。この山を傷つけることは国の恥であり、黙って見過ごすのは師への裏切りだ」と訴訟への思いを訴えました。橋本良仁事務局長は国が1984年に突如トンネル建設を発表して以降、「建設ありき」で住民の声を聞かず暴走してきたと批判しました。

 鈴木堯博弁護団長は大型公共事業が自然破壊と公害、財政危機をもたらし、東日本大震災と原発事故からの復興の妨げにもなると強調。圏央道の採算性評価も恣意(しい)的だと明らかになったのに、一審判決が住民の訴えを退けたのは「司法の行政へのチェック機能が果たせなくなる」と追及し、勇気ある判断を求めました。

 原告側は圏央道による高尾山の水脈や集落・文化の破壊、大気汚染、手続きの違法性などを指摘しました。

 判決は7月19日に言い渡されます。弁論後に原告らは報告集会を開き、「世論を広げて自然破壊の無駄な公共事業を止めよう」と語らいました。


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