2012年3月18日(日)
大学 就活環境改善して
学生ら苦しい現状訴え
集会を開く
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今春の大学卒業予定者の就職内定率が過去3番目に低い80・5%と発表された16日、就職活動中の大学生らが参院議員会館で集会を開き、「就活」に振り回される学生の苦しい現状を改善するため企業の採用活動のルール化などを求めました。
実行委員長の法政大学3年生の男子学生は、就職に悩み自殺する学生が年間50人以上もいることをあげ、「学生の能力や自己責任ではなく、就活の制度や環境にこそ問題があるのではないか」と指摘しました。また、9割以上の学生が登録する大手就職サイトの企業掲載料が数十万から数百万円もするために、採用情報が大手企業に偏重している現状や、「滝に打たれると内定が出る」などと宣伝し学生をあおる悪質な「就活ビジネス」が横行していることを報告。これらの是正や制限を求めました。
「未来の大学生のためにここに来ました」と発言した早稲田大学3年生の女子学生は、「なぜ大学最後の2年間を就活によって奪われなくてはいけないのか。大学生が4年間しっかり学び、学問を尊ぶ気持ちを就活によって阻害されないように、この状況を一緒に考えてほしい」と訴えました。
法政大学の児美川孝一郎教授は「今の就活では、企業もコストと時間を費やすだけで“勝者”にはなれない。こんなことを続けていると社会の持続可能性がなくなってしまう」と話し、就活への社会的規制を求めました。
集会には各党の議員が参加。日本共産党からは宮本岳志衆院議員が連帯のあいさつをしました。