2012年3月22日(木)
北朝鮮に「ロケット」発射計画の中止を求める
日本共産党 志位委員長が声明
国連安保理決議を順守し、6カ国協議の共同声明に立ち返れ
日本共産党の志位和夫委員長は21日、国会内で記者会見し、つぎの声明を発表しました。
一、北朝鮮政府が、4月12日から16日の間に「実用衛星」を打ち上げると発表したことに対して、世界とアジア諸国から、強い批判と懸念の声が広がっている。
日本共産党は、北朝鮮政府がこの方針を撤回し、「ロケット」発射計画を中止することを、強く求める。
一、何よりもそれは、2009年6月12日に全会一致で採択された国連安全保障理事会決議1874号に違反するものである。同決議では、09年5月25日に実施された北朝鮮による核実験を強く非難するとともに、「北朝鮮に対し、いかなる核実験または弾道ミサイル技術を使用した発射もこれ以上実施しないことを要求する」と述べている。すなわち、国連安保理決議は、「弾道ミサイル」だけでなく、「弾道ミサイル技術を使用した発射」をこれ以上行わないこと―すなわち、それが「弾道ミサイル」であろうが、その「技術を使用」した「人工衛星」であろうが、これ以上の発射を中止することを強く求めているのである。それは、北朝鮮が、国連安保理決議に違反して2度目の核実験を強行したという深刻な事実を踏まえての国際社会の重い決定である。
今回の「ロケット」発射について、北朝鮮政府は、「宇宙空間の平和的開発と利用は、国際的に公認されている主権国家の合法的権利」、「衛星の打ち上げは、主権国家の自主権に属する問題」と述べているが、こうした合理化論は通用しない。
一、私は、昨年12月、金正日(キムジョンイル)総書記の死去にさいし、「一国の首脳の死として哀悼の意を表する」と述べるとともに、後継指導部が2002年の日朝平壌宣言、2005年の6カ国協議の共同声明に立ち返り、「国際社会の責任ある一員としての道をすすむことを願う」と表明した。
それは、6カ国協議の関係国の共通した願いでもある。今年2月、米朝協議において、北朝鮮が核実験、ミサイル発射、ウラン濃縮活動の凍結に合意したことについて、私は、前向きの一歩だと注目してきた。
北朝鮮が、「ロケット」発射を強行するならば、国際社会が行ってきた朝鮮半島の非核化にむけた外交努力を損ない、東アジアの平和と安定にたいする重大な逆流をつくることになる。それは北朝鮮自身にとっても決して利益とならない道である。
日本共産党は、北朝鮮の新指導部に、国連安保理決議を順守し、6カ国協議の共同声明に立ち返り、国際社会の責任ある一員としての道をすすむことを、重ねて強く求めるものである。