2012年3月23日(金)
西アフリカ飢餓拡大
5月以後 国際機関が警告
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西アフリカのサヘル(サハラ砂漠南縁)地域の諸国で食料不安が広がり、適切な国際支援が行われないと5月以降、飢餓状態が拡大する危険が出ています。国連食糧農業機関(FAO)、国連児童基金(ユニセフ)などの国連機関のほか、オックスファムなどの国際援助団体が警告しています。
FAOが公表した統計によると、この地域7カ国で食料不安状態に陥っている人々の数は少なくとも1500万人に上ります。(表)
FAOによると、この地域では2011年の穀物収穫が前年比で25%、1400万トンの減産。特に深刻なのはモーリタニアの52%減で、チャドが50%減でこれに続きます。
オックスファムは、この地域の食料価格が直近5年平均より25〜50%上昇しており、今年7〜8月には、さらに25〜30%の上昇が予測されるとして、貧しい世帯で食料欠乏状態が起きると警告しました。
またマリ北部で起きているトゥアレグ族と政府の国内紛争も食料不安を増大させています。国連人道問題調整事務所(OCHA)が15日までにまとめたところによると、同国からはすでに国境を接する4カ国に8万8000人の難民が流出、国内にとどまる避難民も9万3000人を超えています。
FAOのデシルバ事務局長は「食料安全保障状況のこれ以上の悪化を防ぐための行動が必要だ」と述べ、農民の生産維持のための作物の種子、家畜飼料の供給など多面的で具体的な行動を計画しています。
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