2012年3月27日(火)
論戦ハイライト
TPPでコメが危ない
西友店頭に格安輸入米1000トン
紙議員の追及 参院予算委
26日の参院予算委員会で、環太平洋連携協定(TPP)参加問題をただした日本共産党の紙智子参院議員。国民にまともな説明もせず、参加に突き進む政府の姿勢が浮き彫りになりました。
紙氏は、古川元久国家戦略担当相が民主党内の会合で「経済連携協定が国益にかなうか」については「交渉が妥結した後で最終的には国会に協定締結の判断をいただくことになる」と発言していることをあげ、こうただしました。
紙 国民の懸念を協議でぶつけるのではなく、嫌なら否決すればいいと言わんばかりの発言だ。
古川担当相 一般論として申し上げたもの。TPPに関して申し上げたものではない。
紙 資料ではどう見てもそういう言い方をしているとしか読めない。
紙氏は、野田佳彦首相が講演で日本と米国をビートルズメンバーに例え「TPPはビートルズだ。二人がきちっとハーモニーしなければいけない」と発言していることをあげ、「『国民との議論を踏まえて判断する』という発言と違うのではないか」と追及しました。
意味不明の釈明
野田首相が「日本人が卑屈になってお願いして入っていく状況ではないという意味で話をした」と釈明すると、議場からは「意味がわからない」との声が。紙氏は「早く参加を決めたいという思いがにじみ出ている」と批判しました。
紙氏は、3月1日に外務省が発表した「関係国との協議結果」で「例外なき関税撤廃」が基本的原則として合意されていると指摘。古川担当相が「合意にはいたっていない」とごまかしたのに対し、こう追及しました。
紙 包括的自由化がTPPの原則だ。「守るべきは守る」というがコメは守るのか。
野田首相 国益にそって、守るべきは守る姿勢で交渉したい。
大手スーパー西友は10日から輸入米を国産米の3割安で販売を開始。国産米に影響を与えないことを条件に輸入米・ミニマムアクセス米(77万トン)のうちの一部を、民間売買で扱われる「SBS米」として主食用に販売するものです。
紙 今まで、主食として店頭で売るのは全体でも100トンくらいだった。今回は西友だけで1千トンだ。西友と連携する、TPP推進の急先ぽう、米国の大企業ウォルマートの戦略だ。日本の米はもろに影響を受ける。
鹿野農水相 SBS米は10万トン(の枠)を拡大する考えに立っていない。
歯止めをかけよ
紙氏は米国の意見公募でもウォルマートの日本進出要求が出ていることをあげ、「ほうっておけば10万トン枠の米がすべてスーパーの店頭に拡大する。歯止めをかけよ」と迫りました。
鹿野農水相は「需給に影響を及ぼさないようにしたい」と答えるだけ。紙氏が「先に参加ありきに思える」と指摘すると、首相は「参加ありきではない。何でもかんでも交渉参加ではない」などと言い訳しました。紙氏は「国民は納得できる政府の対応を求めている。できないのであれば、はっきり参加はやめるべきだ」と強調しました。