「しんぶん赤旗」
日本共産党
メール

申し込み記者募集・見学会主張とコラム電話相談キーワードPRグッズ
日本共産党しんぶん赤旗前頁に戻る

2012年4月1日(日)

待機児童 4万6620人

昨年10月時点 依然高止まり

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 mixiチェック

 認可保育所に申し込みながら入所できない待機児童が、2011年10月の時点で4万6620人(前年同時期比で1736人減)にのぼることが3月30日の厚労省の発表でわかりました。

 これらの数字には、認可保育所に入れず認可外施設に預けられている子どもは含まれていません。認可保育所に入所を申し込みながら入れず、保育ママなどの自治体の単独施策を利用する子どもは1万5854人おり、その数を含めると待機児童数は6万2474人になります。前年同時期から822人の微減で、依然として高水準です。

 10月時点の待機児童数は、同年4月時点の2万5556人の約1・8倍。

 4万6620人のうち3歳未満児が4万1137人で全体の88%を占めます。

 50人以上の待機児童がいる市町村は全国で94自治体。名古屋市が1909人で最多、続いて札幌市(1653人)、川崎市(1586人)、横浜市(1463人)と続いています。

 都道府県別では、東京都が1万489人でトップ。認可保育所に入所を申し込みながら、認証保育所などの単独事業を利用している人を合わせると1万6370人となります。


待機児童深刻

解決は保育所整備でこそ

 自公政権が2001年に「待機児童ゼロ作戦」を掲げてから10年以上。歴代政権が対策を口にしてきたにもかかわらず、待機児童問題は深刻化しています。

 認可保育所の抜本増設に取り組まず、「定員弾力化」という名の子どもの詰め込みと、基準の低い認証保育園などの推進という安上がりな手段ですませようとしてきたからです。

 民主党政権は、自公政権が強力にすすめた“子どもの詰め込み路線”をいっそうすすめ、保育所の運営・設備の最低基準まで撤廃しました。

死亡事故が急増

 保育現場では、子どもの詰め込みは限界に達しています。01年以来、認可保育所での子どもの死亡事故が急増していることからも明らかです。

 誰でも安心して保育が受けられるようにするには、国と自治体が責任をもって認可保育所をつくるしかありません。ところが民主党政権は3月30日、「子ども・子育て新システム」関連法案の提出を強行。保育への公的責任を大きく後退させるという、まったく逆の方向に行こうとしています。

 関連法案では、保育を必要とする子どもを「市町村は、保育所で保育しなければならない」とうたう児童福祉法24条を全面的に書き換え、市町村の保育実施義務をなくします。保育は「自己責任」となります。

 認可保育所に入れない待機児童数を国がつかみ公表するのは、市町村に保育実施義務があるからです。「新システム」になれば市町村は待機児童の数さえ把握しなくなります。日本共産党の田村智子議員の質問(3月16日、参院予算委)に、小宮山洋子厚労相は「人数をつかむとは(法律に)書かない」と待機児童数を把握しないことを認めました。

ムダ遣い一掃で

 日本共産党は、年間10万人、3年間で30万人分の認可保育所を国の責任で緊急に整備することを提案しています。10万人分の保育所建設に必要な予算は、国の補助率を上げても1400億円です。消費税を増税しなくても、「1メートル1億円」の外環道など幹線道路網整備(2012年度予算案で4899億円)などのムダ遣いを一掃するだけで財源は生まれます。

 待機児童の解消にもならない「新システム」は廃案にし、民主党政権は、認可保育所の増設に今こそ本腰を入れて取り組むべきです。

 (鎌塚由美)


見本紙 購読 ページの上にもどる
日本共産党 (c)日本共産党中央委員会 ご利用にあたって