2012年4月10日(火)
北朝鮮「ロケット」公開
韓国当局者 「ミサイル開発試験」
【ソウル=中村圭吾】北朝鮮は8日、海外メディアに対し、東倉里発射基地の発射台に設置されたロケット「銀河3号」や人工衛星「光明星3号」を公開しました。燃料注入はまもなく始まり、予告どおり12〜16日に発射を強行するものとみられます。
メディア 日本は「過剰対応」
北朝鮮の「ロケット」発射について、韓国の宇宙開発を担当する政府機関・航空宇宙研究院の金承祚(キム・スンジョ)院長は、実際に人工衛星が搭載されるとの見方を示す一方、「内容面ではミサイル開発に向けたロケット試験だ」と述べました。保守派の最大紙・朝鮮日報(9日付)がインタビュー記事を掲載しました。
金院長は「銀河3号」で人工衛星「光明星3号」を打ち上げるという北朝鮮の主張について、「先端に弾頭を載せればミサイルだし、衛星を載せれば“人工衛星”だ」と説明。「おそらく、小型衛星(が搭載される)だろうが、実用性はない」と述べました。一方で、ロケットの推進剤に零下183度での管理が必要な液体酸素ではなく、弾道ミサイル「テポドン」などと同じ常温燃料と酸化剤が使用されていることを指摘。「大陸間弾道ミサイルの開発に向けた試験とみるほかない」と語りました。
また韓国メディアには、北朝鮮の「ロケット」を「弾道ミサイル」とみなして迎撃準備を進める日本政府の対応について「過剰対応だ」とする見方が強く、MBCテレビは「ロケット発射を口実に、軍事力強化を狙っているという分析が説得力を得ている」と指摘しました。