2012年4月11日(水)
原発マネー 安全基準検討委員にも
5年で、3347万円
関連業界が寄付
東京電力福島第1原発事故を受けて原発の新たな安全基準を検討した原子力安全委員会内の専門部会を構成する大学教授ら6人が、三菱重工などの原子炉メーカーをはじめとした原発業界から計3347万円の寄付を2006年度からの5年間で受けていたことが10日、本紙の調べで判明しました。このうち2人は、大飯原発の再稼働に動く関西電力が出資する団体や企業から寄付を受けており、中立性が問われます。
この専門部会は原子力安全委員会内の「原子力安全基準・指針専門部会」です。
本紙が情報公開で入手した企業・団体からの寄付金の資料によると、明らかになっただけで06年度から10年度にかけて同部会の構成員29人のうち6人が原発業界から寄付を受けていました(表)。
このうち、政府が9日に関西電力からの工程表提出を受けて、「おおむね適合」として、再稼働に急ぐ関電大飯原発3・4号機の原子力プラントを製造した三菱重工が計700万円を寄付。「原発利益共同体」の中核団体である日本原子力産業協会(原産協会)は最多の計1274万円を寄付していました。
大飯原発がある福井県の竹田敏一福井大学国際原子力工学研究所長(同部会長)は、原産協会などから計780万円の寄付を受けていました。
この中でも目立つのが、関西電力マネーです。
関電が100%出資する原子力安全システム研究所は、53万6130円を山中伸介大阪大学大学院教授に寄付をしていました。
また原産協会の地方支部の一つで、関電が中心になって設立、出資したとされる「関西原子力懇談会」(関原懇)は代谷誠治安全委員会委員(同部会担当)に310万円の寄付を行っていました。
関原懇の前会長は関電の副社長です。関電とのかかわりについて関原懇の担当者は「協賛金をいただいているが、関原懇は任意団体なので(金額などは)公開していない」と説明。関電は「趣旨に賛同して法人会員であることは事実。協賛金の額については、具体的に申し上げられない」としています。
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