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2012年4月11日(水)

北朝鮮 「ロケット」発射強行の構え

各国 自制求め外交努力

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 北朝鮮は、12〜16日の「ロケット」発射に向け準備を進め、10日中にも「人工衛星」を搭載し、あくまで強行する構えです。国連安全保障理事会の決議1874号に違反する北朝鮮の行為に対し、世界各国は強く批判するとともに、自制を求める外交的努力を強めています。

 北朝鮮は「実用衛星」打ち上げと主張していますが、2009年6月に全会一致で採択された国連安保理決議1874号は、「弾道ミサイル」であれ、その技術を使用した「人工衛星」であれ、発射中止を求めています。北朝鮮の発射計画が同決議に違反することは、世界各国の共通認識になりつつあります。

 韓国の金寛鎮(キムグァンジン)国防相とパネッタ米国防長官は10日、電話会談で、北朝鮮の「ロケット」発射は、国連安保理決議に違反するとの認識を改めて確認しました。

 ロシアのメドベージェフ大統領も3月26日にオバマ米大統領との会談で、「ロケット」発射は国連安保理決議違反だという認識で一致しました。

 3、4日に開かれた東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議でも、「国連安保理決議を全面的に順守するよう全当事者に呼びかける」とする議長声明を発表しました。

 安保理決議違反だと公式には表明していない中国も、胡錦濤国家主席が「打ち上げを放棄し、民生発展に集中するよう北朝鮮に求め続けている」(3月26日)と述べ、北朝鮮に発射断念を迫る姿勢を明確にしています。

日本の対応 軍事が突出

 一方、日本政府は「ロケット」が領域内に落下すれば迎撃ミサイルで破壊するとし、イージス艦を日本海や東シナ海に展開。地上発射のパトリオット・PAC3を沖縄県と首都圏に配備しました。

 政府自身、北朝鮮が設定した落下区域などから日本領域内への落下は通常ないとし、国民に対し「平常通りの生活」を呼びかけているにもかかわらず、突出した軍事対応です。

 09年に北朝鮮の「ロケット」発射に対応した柳沢協二元内閣官房副長官補は、射程約20キロとされるPAC3では届かないと指摘。「(同部隊の)展開の訓練と、先島(諸島)進出に向けた地ならしが目的だ」(沖縄タイムス9日付)と明言しています。


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