2012年4月14日(土)
北「ロケット」発射
「安保理は適切対応を」G8
「決議違反」米韓ロが非難
国際社会が自制を求めていたなかで強行された北朝鮮の「ロケット」発射を受けて、主要8カ国(G8)外相は米ワシントンで12日夜(日本時間13日午前)、緊急声明で「国連安保理決議に違反する」と非難しました。外相らは対抗措置の検討を表明し、安保理に「適切な対応」を求めました。(ワシントン=小林俊哉、ソウル=中村圭吾、外信部=松本眞志)
北朝鮮によるロケット発射は、同国に発射中止を強く求めたG8外相会合議長声明が12日午前(日本時間13日未明)に発表されたわずか数時間後。議長声明は「G8外相は、ミサイル発射は安保理決議への重大な違反となるとの強い見解を共有した」と強調していました。
米国のカーニー大統領報道官は13日、「失敗したとはいえ、北朝鮮の挑発行為は地域の安全を脅かし、国際法と最近の合意に違反する」と非難しました。米政府は、今年2月の米朝合意に基づく食料支援を撤回し、国連安保理で追加措置を協議する方針です。
韓国政府は同日、北朝鮮の「ロケット」発射強行を「挑発行為」だと強く非難しました。青瓦台(大統領府)の声明は、「事実上の長距離ミサイルの発射」だとした上で、「弾道ミサイル技術を利用したあらゆる発射を禁止した国連安保理決議1874号に、明白に違反」すると指摘。「朝鮮半島と北東アジアの平和と安定を脅かす挑発行為だ」と述べつつ、「北朝鮮の新指導部が国際社会の一致した発射中止要求を無視し、強行したことを強く糾弾する。北朝鮮は応分の責任をとらなければならない」と表明しました。
ロシア外務省は、北朝鮮の安保理決議違反を理由に、「深刻な懸念」を表明。北朝鮮側から要請された専門家の現地派遣を拒否するなど従来にない厳しい姿勢をとっています。
中国の劉為明外務省報道官は会見で、「関係各国が冷静と自制を保ち、半島と地域の平和と安定を損なうことなく、接触、対話を続け」るよう求めました。