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2012年4月24日(火)

主張

TPPと首相訪米

交渉参加こそ断念すべきだ

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 昨年11月、野田佳彦首相がハワイのホノルルで開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議で、環太平洋連携協定(TPP)交渉に参加するため、関係国と協議に入ると表明してから5カ月すぎました。

 4月下旬に予定されている野田首相の訪米では、アメリカに対する何らかの意思表示が懸念されます。TPP参加を断念させる運動と世論を、飛躍的に発展させることが求められます。

害悪はますますあきらか

 この間のTPP参加9カ国との協議では、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランドをのぞく6カ国から日本の参加を認める意向が示されたといわれ、アメリカなどとの協議が続いています。その中で明らかになったのは、「関税撤廃に例外を認めない」のがTPPの基本であり、同時にアメリカが、貿易に関わるあらゆるルールをアメリカ式に変え、多国籍大企業の利益をつらぬく要求を突きつけていることです。

 食料・農業・医療・公共事業など、大部分の交渉内容はこれまで危険性が指摘されてきたとおりですが、さらに露骨なものもあります。最近も、アメリカ政府は「議会が参加を支持することを確保する」ためとして、保険、自動車、牛肉の3分野での譲歩を求めているとの民主党の訪米団の報告が明らかになりました(「朝日」21日付)。また、審議中の郵政民営化法改定案が米国の保険会社に不利益を与えかねないとして、アメリカ側が「保険問題に対処しない限り、日本のTPP交渉への参加は絶対認めない」とのべたとも報じられています(「読売」20日付)。

 これらの事実は、国内法や国民の暮らしに必要なルールをアメリカの要求に合わせるのがTPPであり、TPP参加は国の主権を侵害し、国民の暮らしにも、経済の発展にも、“百害あって一利無し”の「異常協定」であることをますます鮮明にしています。参加断念こそ国益の立場であり、国民の立場にたった選択です。

 こうしたもとで、TPPへの参加に反対の態度を表明する団体、業界が広がり、全国各地で集会やシンポジウム、宣伝行動などでの共同がひろがっています。広範な団体・個人が結集した道・県民会議が各地で結成されるなど、県ぐるみ、地域ぐるみの「一点共闘」も広がっています。

 野田首相の訪米を目前にした25日には、東京の日比谷野外音楽堂で、JA全中、消費者団体などによる「政府の参加表明を阻止する国民集会」が開かれます。また労働者、農民、消費者・市民、医療関係者をはじめ、広範な市民団体が参加する「ストップTPP! 1万人キャンドル集会」も同日、連続的に開かれます。

世論を飛躍的に広げて

 野田内閣は、運動の広がりや与党内の矛盾などから、懸念されていた訪米時の「参加表明」を明言できなくなっています。しかし、参加にむけた前のめりの姿勢はかえず、相手国との関係を理由に国民に満足に説明しないきわめて不誠実な態度をとり続けています。

 急速な運動の広がりを確信に、中央集会・行動を成功させるとともに、全国各地で草の根からのTPP参加反対の声をあげ、政府・財界など推進勢力を包囲し、断念に追い込むことが重要です。


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