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2012年4月25日(水)

きょうの潮流

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 おっとりして人になれやすい鳥。感じやすく用心深い鳥。トキについて、相反する説明がみうけられます▼佐渡島でトキの保護に力をつくす佐藤春雄さんは、次のようにのべていました。もともとはのんびりしたおとなしい鳥だったが、明治時代から乱獲にあい、警戒心のつよい鳥になってしまった―▼とくに、繁殖期に敏感です。1950年代末、佐渡にトキが数羽しかいなくなりました。繁殖期の営巣地に人が一切立ち入らないようにすると、十数羽までふえました。しかし、また減ってゆきます。営巣地を人に知られたトキが卵やひなを捨てて去ったから、とみられます▼36年ぶりに、佐渡の自然界でトキのひなが誕生しました。3羽の白いひな。やっぱりかわいい。環境省は、絶滅した日本産に代わり、中国から贈られたトキを人工で繁殖させ、野に放っています。中国生まれの子孫は、佐渡の人と共存できるかどうか、間合いを計っているところでしょうか▼たちまち、餌とりがたいへんです。ひなは多いとき、親の2日分から3日分の餌を平らげるのですから。餌場の確保には、人の手助けが欠かせません。さいわい佐渡の農家は、農薬や肥料を半分以下に抑えてつくる「朱鷺(トキ)と暮らす郷(さと)米」の田んぼをふやしています▼かつては減反政策で、いつも水をためる山中の田がめっきり減りました。トキの餌場に最も適した場所でした。トキにとっても、日本の農業を危うくする環太平洋連携協定(TPP)など、めっそうもない話でしょう。


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