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2012年4月27日(金)

小沢氏は虚偽記載了承

元秘書と共謀認めず無罪

強制起訴は有効 検察の捜査を批判

東京地裁判決

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 資金管理団体「陸山会」の土地取引をめぐり、政治資金規正法違反(収支報告書の虚偽記載)罪に問われた民主党元代表小沢一郎被告(69)の判決が26日、東京地裁であり、大善文男裁判長は無罪(求刑禁錮3年)を言い渡しました。しかし判決は、検察官役の指定弁護士側の主張をほぼ全面的に認め、主要な争点での小沢被告側の反論をことごとく退けました。元秘書による虚偽記載の事実を認定。元秘書らから事実と異なる記載について小沢被告が報告を受け、了承をしたことも認めました。


 大善裁判長は、最大の争点となった元秘書との共謀について、土地購入代金の計上を翌年にずらすことの「報告を受けていない」とした小沢被告の供述は信用できないと判断し、石川知裕衆院議員(38)から報告を受け、了承したと認定。石川議員や池田光智元秘書(34)が、小沢被告の了承を受けた上で虚偽記載したことを認めました。

 自己資金の4億円を担保に銀行から融資を受けることも、説明を受けて了承していたとし、提供した4億円を簿外で処理することも、「小沢被告の意向に沿うものだったと考えられる」と判断。検察官役の指定弁護士側の主張に沿った事実認定をし、「(指定弁護士が)共謀を疑うことには相応の根拠がある」と述べました。

 しかし、土地取得が05年分の収支報告書に記載されることは適法と考えた可能性があるなどとして、虚偽記載の故意や、元秘書との共謀について、立証が十分でないと結論付け、無罪としました。

 小沢被告の法廷での供述については、「変遷や不自然な点が認められ、信用できない」と指摘。「秘書まかせ」との釈明について、「政治資金規正法の精神に照らして、芳しいことではない」と批判しました。

 また陸山会の2004年分政治資金収支報告書を作成した石川議員が、十分な土地購入資金がありながら銀行から4億円の融資を受けた目的について「4億円が小沢被告の個人資産から提供された事実が明らかになることを避けるためだった」と指摘しました。

 争点の一つだった強制起訴議決の有効性については、適法と判断。その上で、「事実に反する捜査報告書を作成し、検察審査会の判断を誤らせるようなことは決して許されない」と述べ、見立てに沿った捜査が問題の背景にあったと指摘。検察当局で十分に調査し、対応すべきだと述べました。


 陸山会事件 民主党の小沢一郎元代表の資金管理団体「陸山会」の収支報告書に、元代表から借り入れた土地の購入費4億円を記載しなかったなどとして、東京地検特捜部は2010年、政治資金規正法違反(虚偽記載)容疑で石川知裕議員ら元秘書3人を逮捕、起訴。小沢元代表は嫌疑不十分で不起訴となりました。

 東京第5検察審査会は同年、2回にわたり小沢元代表を起訴すべきだと議決。これを受け、検察官役の指定弁護士が昨年1月、小沢元代表を強制的に起訴。石川議員ら元秘書3人は昨年9月、東京地裁で執行猶予付き有罪とされました。

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