「しんぶん赤旗」
日本共産党
メール

申し込み記者募集・見学会主張とコラム電話相談キーワードPRグッズ
日本共産党しんぶん赤旗前頁に戻る

2012年4月29日(日)

ともに力あわせ「原発ゼロの日本」を

脱原発をめざす首長会議 志位委員長のあいさつ

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 mixiチェック

 「脱原発をめざす首長会議」の設立総会(28日)で述べた、日本共産党の志位和夫委員長のあいさつは次の通りです。


写真

 「原発ゼロ」をめざして首長会議が結成されると聞き、たいへん心強く思っていたところ、顧問にとお話をうかがい、ぜひともお受けしたいとお返事をさせていただきました。自治体首長の第一の責任は「住民の生命財産を守る」との立場から、「原発ゼロの日本」をめざすみなさんの取り組みに心から敬意を申し上げるとともに、私たちも国政の場で力をつくす決意を申し上げたいと思います。

原発事故から1年余――原発事故のもたらす「異質の危険」が猛威ふるう

 福島原発事故から1年余。私たちは、原発事故が、他の事故にみられない「異質の危険」をもつこと、重大事故が起こり、放射性物質が放出されてしまうと、もはやそれを完全に抑える手段は存在しないという恐るべき事実を目のあたりにしてきました。

 被害は、「空間的」にどこまでも広がり、現に放射性セシウムは、福島県だけでなく、北海道から沖縄まで日本列島のすべて、太平洋のはるか先まで測定されています。

 また被害は、「時間的」にも、長期にわたって続く。半減期30年の放射性セシウムの危険がなくなるには300年という時間がかかるといわれ、とほうもない長期間にわたって危険をいかに閉じ込めるかという困難な課題に私たちは直面しています。

 そして被害は、「社会的」にも、地域社会そのものの存続を危機においやっています。いまなお八つの町村が、自治体ぐるみの避難を余儀なくされ、16万人もの方々が避難生活を強いられています。除染、賠償、子どもたちの健康を守り、地域を再生させるために総力をあげねばなりません。

 原発事故のもたらすこれらの「異質の危険」をなくす方法はただ一つ、原発そのものをなくすことしかないことは、いまや明瞭だと思います。

 私たちは、みなさんとともに、政府に対して、「原発ゼロの日本」への決断をおこなうこと、自然エネルギーの本格的導入と低エネルギー社会のために国をあげた取り組みをおこなうことを、強く求めるものです。

新たな「安全神話」をふりかざしての再稼働押しつけは中止せよ

 あの大事故によって崩壊したはずの「安全神話」が、新しい形で復活しつつあることは、きわめて重大です。

 原発再稼働問題について、政府は、「新安全基準」なるものを決めて、自治体に再稼働を迫っています。これは「再稼働ありき」の許しがたいものです。

 だいたい福島原発の事故原因も究明されていない、まともな規制機関もつくられていない、事故のさいの避難計画すらつくられていない、「ないない」づくしのもとで、どうして安全を語れるでしょうか。新しい「安全神話」をふりかざしての再稼働の押しつけをただちに中止することを強く求めます。

 与党幹部の一人は、再稼働ができなければ電力不足で「集団自殺」になると脅しました。私は、これは二重に許しがたいと思います。

 一つは、民間研究機関が批判しているように「過大に見積もった需要を固定視している」ことです。

 二つは、原発再稼働問題を電力需給問題とは切り離して判断されるべきであるにもかかわらず、両者を天秤(てんびん)にかけて再稼働を迫っていることです。「電力需給のためには、多少の危険には目をつぶれ」という議論は、こと原発にかけては絶対に許されないということを、強く言いたいと思います。

 再稼働の押しつけはやめ、政治判断というなら「原発ゼロの日本」への政治決断こそ必要です。私たちも、国政の場で、また地方政治の場でも、みなさんと力をあわせて、それを成し遂げるために力をつくす決意を申し上げ、ごあいさつとします。


見本紙 購読 ページの上にもどる
日本共産党 (c)日本共産党中央委員会 ご利用にあたって