2012年5月5日(土)
神戸で集い 朝日襲撃事件25年
言論の自由を考えた
朝日新聞阪神支局襲撃事件から25年を迎えた3日、「言論の自由を考える5・3集会」(朝日新聞労働組合主催)が神戸市で開かれました。「不信の壁を超えて」をテーマに、震災・原発事故後の報道を振り返り、ジャーナリストや大学教授らが討論しました。
ニューヨーク・タイムズ東京支局長のマーティン・ファクラー氏は、「不信」が広がった理由を「メディアが国民の側に立っていないと見られているからだ」と指摘。「3・11」の報道が米国の「9・11」事件後、権力を監視する役割を果たせなかった状況とよく似ていると述べ、「国民のためのジャーナリズムに戻らなければメディアは必要とされなくなるだろう」と訴えました。
ジャーナリストの斎藤貴男氏は「3・11」以降、「権力に服従しているかのような問題が加速しているのではないか」とのべ、そのなかで、橋下徹大阪市長の「君が代」斉唱時の口元チェックや改憲の動きが出てきていると指摘しました。
林香里東京大学大学院教授はメディアに必要なことを問われ、「政治に関心がある、社会をよくしたいと思っている人や行動している人に寄り添うことだ」と語りました。
97歳のジャーナリストの、むのたけじ氏が講演。戦後、日本は多くの間違いを犯したが「一つ誇れることはまがりなりにも憲法9条を守ってきたこと」だと話しました。