2012年7月22日(日)
米の州議会議員ら129人
TPP反対 政府に書簡
米国全50州の州議会議員と米領プエルトリコの議員のうち129人が環太平洋連携協定(TPP)に反対する公開書簡を米政府の通商代表部にこのほど送りました。TPPに盛り込まれる「投資家対国家の紛争解決」(ISDS)条項が外国企業の利益を優先させ、州法や州の権限を侵しかねないと批判しています。
5日付で送られたこの書簡は「TPPにISDS条項が盛り込まれ、州の規制や法律、司法上の権限に影響を与えることを特に憂慮する」と述べています。「資源採掘の規制やたばこの箱の外装に関する法律など中心的な公共政策の決定に挑戦するため外国企業が力を振るうことになりかねない」と懸念を表明。「北米自由貿易協定(NAFTA)のもとで州の法的決定が挑戦を受けた」と指摘しています。
書簡を中心になってまとめたマラリン・チェース・ワシントン州上院議員(民主党)はホームページ上で「われわれの義務は州の法規を守ることだ。州法を超越した国際的協定を支持することではない」と述べました。「TPPに州法を超える権限を持たせれば、民主主義に障害をもたらす」と警告しました。
ISDSは、外国企業が進出先で不利益を受けたと思えば相手国政府を相手取って国際仲裁機関に訴訟を起こすことができる制度です。
NAFTAや中南米と米国との投資協定にも盛り込まれ、米国の多国籍企業に有利な判決が続出しています。
ISDS条項は米韓自由貿易協定にも盛り込まれ、韓国で主権を侵す「毒素条項」と非難されています。TPP交渉の中では、ISDS条項を盛り込もうとする米国にオーストラリアが反対しています。