2012年7月26日(木)
論戦ハイライト 介護保険 消費税増税でもより悪く
田村議員が追及
メニュー増えても使えない
25日の参院特別委員会で、介護保険サービスを例に消費税増税によって社会保障は充実するのかと追及した日本共産党の田村智子議員。「社会保障の機能強化のための消費税増税」という論拠を崩しました。
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田村氏は、介護保険料を払っているのにサービスを使えない人が大勢いると指摘。「要支援」「要介護1、2」の人は、支給限度額の4割、要介護度の重い人でも5〜6割しか使っていないと強調しました。
田村 利用料が重いからだ。サービスを増やし、施設をつくっても、負担できなければ受けられない。消費税増税で解決するのか。
小宮山洋子厚労相 利用者負担の軽減は入っていない。
田村 サービスを利用できない問題は解決しないということだ。
田村氏は、家族の突然死により、高齢者の孤立死事件が相次いでいると迫りました。
田村 消費税増税で13・5兆円も負担を増やしながら、(介護保険の)利用料1割負担を見直すとか、利用料負担の上限額引き下げなどの手だてをとらないのか。
厚労相 現在の制度でも利用者負担の上限を設けている。
田村 その制度があっても利用できない人が現にいる。
「なぜ手だてを講じないのか」と繰り返し迫る田村氏に対し、野田佳彦首相は答弁に立てませんでした。
増税しても負担増
田村氏は、社会保障審議会(厚労相の諮問機関)介護保険部会が2011年11月30日にまとめた介護保険制度の「見直しメニュー」を示しました。
田村 負担は軽くなるどころか重くなるメニューだ。介護制度はますます利用できない制度になってしまう。
厚労相 税か保険料か自己負担の組み合わせをどうするかだ。
田村氏は「消費税増税以外に財源を求め、もっと(介護保険の)国庫負担割合を増やすべきだ」と主張。政府の姿勢をただしました。
田村 増税しながら介護の利用料負担が重くなるのは仕方がないというのか。
首相 利用料の軽減措置は入っていないが、介護保険充実は入っている。負担なくして給付なしだ。
負担増を正当化する野田首相に対し田村氏は、「増税しながら、利用料負担が重いという声にはこたえられないということだ」と批判しました。
室料徴収で深刻に
田村氏は、政府は特別養護老人ホームの個室だけでなく、多床室でも室料徴収を狙うが、「深刻な事態になる」と批判しました。
田村 消費税増税で食費、光熱費の負担が増える。室料を求めたら、入居できないだけでなく、入居者が退去せざるをえなくなる。
厚労相 今回の「改定」では見送った。しかし、サービスの充実に見合った負担をいただく。
田村 どんなにメニューが増えても、負担が重ければ使えない。何のための介護保険か。
小宮山厚労相は、負担を求める考えを示唆しました。
田村 結局、消費税は増税。介護保険料も2025年には65歳以上の平均月額は8200円の大幅引き上げ。これでどうして社会保障の機能強化か。
首相 利用者の負担の一点に絞って、社会保障が充実されないという批判はやめてほしい。
消費税増税と介護保険の負担増を突かれ窮する野田首相。田村氏は、「負担増だけが押し付けられるのが『一体改革』の本質だということがはっきりした」と指摘しました。
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