2012年8月4日(土)
危ない秘密保全法制
日弁連シンポ 原発事故から考える
原子力をめぐる問題から、野田内閣が今国会への提出を検討している秘密保全法制の危険性を検証しようと2日夜、日本弁護士連合会などがシンポジウム「原発事故が起きたら? 市民の安全を守れるか」を東京都内で開催し、約120人が参加しました。
北海道電力泊原発3号機の検査記録改ざんを命じられ、これを拒否したことから原子力安全基盤機構から再雇用を拒否された元原発検査員の藤原節男さんが報告。藤原さんは自身が公益通報を行った経験と原子力業界の隠ぺい体質にふれながら、「秘密保全法ができると公益通報で組織の不正、秘密を明かすことができなくなる。公益通報と保全法は水と油だ」と指摘しました。
パネルディスカッションでは、東京電力福島第1原発事故を取材するフリージャーナリストの木野龍逸さんら3氏が発言しました。木野氏は、東電と原子力安全・保安院、文部科学省による情報隠しが指摘されたメルトダウンや汚染水、放射性物質の拡散状況を予測するシステム、「SPEEDI」情報が公表に至るまでの経緯を報告。「隠ぺいしようとした理由には公開を遅らせることで、国民とマスメディアの関心をそらし、問題の重大性を小さく見せようという狙いがあった。保全法があると、情報がなく十分な判断ができず、主権者として権利侵害されるのは明らかだ」などとのべました。
シンポでは「福島からの報告」として、福島県浪江町の渡邉文星副町長、同町災害対策課職員の松本秀幸さんが発言。日本共産党の塩川鉄也衆院議員があいさつしました。